2010-01-01から1年間の記事一覧

登美彦氏、大学生たちに会いに行く

本日は快晴であった。 登美彦氏は仕事場でうにうにとした後、東高円寺というところに出かけた。 すると、そこでは「第4回読書マラソン交流会・リーダーズフェスタ」なる、お祭りめいたものが開催されていて、大勢の大学生たちが待っていた。 登美彦氏の作品…

登美彦氏、締切次郎をジッと睨む

森見登美彦氏は予定を睨んでいた。 予定というか締切次郎たちを。 登美彦氏は呟く。 「諸君はどういうつもりか。そんなにいちどきにやってきても困るぢゃないか。もう少しゆったりと考えて来れないものかね?」 十二月から来年春までに、締切次郎たちがぎゅ…

アニメ『四畳半神話大系』 文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞

これは森見登美彦氏の手柄ではない、ということがはっきりしている。 したがって、多少自慢げになることも許されるであろう。 ここに登美彦氏は声高に述べる。 アニメ『四畳半神話大系』が、 文化庁メディア芸術際の、 アニメーション部門の、 大賞を、 受賞…

 『美女と竹林』 (光文社)

森見登美彦氏の作品の中でも、無益さにかけては他の追随を許さない作品が小型化される。 当初、登美彦氏は「竹を刈る」という斬新なテーマの連載エッセイに挑んだと主張していたが、そのような気配は開巻早々消え失せる。 そこから先に広がるのは恐るべきぐ…

『ペンギン・ハイウェイ』日本SF大賞をいただく

森見登美彦氏の第十子『ペンギン・ハイウェイ』が日本SF大賞をもらうことになった。 この栄誉はあくまで我が子のものであって、登美彦氏などはほんのオマケに過ぎない。だからあまり親がしゃしゃり出て、自慢げにしてはいけないのである。 他の作品とちが…

 登美彦氏、マンガを読む。

森見登美彦氏はマンガを読む。 今月は楽しみなマンガが二冊出版されたという。 そうして登美彦氏がマンガを真剣に読んでいると、 妻が布団の上に三角座りをして、真剣に次のような本を読んでいた。 「おや!」 「私はグズをなおすのです」 「それは素晴らし…

登美彦氏の仕事(11/27)

・yomyom vol.18 「京都捻転紀行」 [rakuten:book:14096078:image] 森見登美彦氏が、取材で京都に出かけたときの顛末を書いている。「旅の歓び、ヨム愉しみ」という特集である。 登美彦氏は東京に住んでいるわけだから、京都に行けば「旅行」と言ってかまわ…

登美彦氏、トトロを愛でる。

森見登美彦氏の妹と弟が東京見物にやってきた。 登美彦氏は東京に住んで一年半になるが、魂の半分を京都に残してきた上に、机上で大半を過ごしているので、東京の遊び方をあまり知らない。知る努力もしないのは嘆かわしいことである。登美彦氏は「おもしろが…

『終電車ならとっくに行ってしまった』(新潮社)

かつて森見登美彦氏が締切・朝日新聞・次郎と地獄のような泥仕合を演じていた最中、まったく本人に責任がないにもかかわらず泥仕合に巻き込まれ、締切次郎との先行きの見えない厳しい攻防を強いられた人物がフジモトマサル氏である。 そういうわけで、登美彦…

登美彦氏の仕事(11/5)

・story box 別冊 青森へ 「夜会」 森見登美彦氏が青森を舞台にした怪談を書いている。 登美彦氏は学生時代に一度、恐山へ行くために青春18切符で青森へ出かけた。そして恐山において霊山アイスを食べて死後の世界の冷気を味わった。また昨年には上野発の…

登美彦氏の仕事(10/30)

最近、筆者の明らかな怠慢から、登美彦氏の仕事をお知らせしていなかった。 まことに申し訳ありません。 というわけで、最近の登美彦氏の戦いについて。 ・小説新潮11月号 「四畳半世界放浪記」 登美彦氏がyomyomや小説新潮に掲載してきた短編たちについて…

登美彦氏、のんき玉を作ろうとする。

森見登美彦氏はのんきでありたいと思う。 のんきであるようなフリをしたいとも思う。 登美彦氏は、みんなが忙しがることが諸悪の根源である、と決めつけているのだ。 「みんながのんきなふりをしていればいつの日にか本当にのんきな日が来る」 それが登美彦…

登美彦氏、ラジオに出る。

森見登美彦氏は、本上まなみさんに会ってすっかり有頂天になっていたために、告知することまで気が回らなかった。これはたいへん駄目なことである。 登美彦氏は本上まなみさんのラジオ番組に登場する。 東京FMの以下の番組である。 http://www.tfm.co.jp/hid…

登美彦氏、リーマン兄弟のことを考える。

経済のことに疎い森見登美彦氏は、そういうこともちゃんと学んでいこうと決意した。 しかし何から手をつけていいか分からない。 こういうときは自分にかかわりのあるところから始めるのがよい。 そういうわけで登美彦氏は、自身の某作品の映画化計画を闇に葬…

登美彦氏、我が子たちを眺める。

八月某日の深更。 森見登美彦氏は仕事に飽きて、麦酒をごくごく飲みながら、机のまわりを見回していた。そうすると、登美彦氏は我が子たちがずいぶん増えていることにあらためて気づいた。 登美彦氏はたいてい無茶な育て方をするから、どの子もたいてい「や…

登美彦氏、『四畳半神話大系』ディスクを3枚受け取る

暑い夏。 森見登美彦氏はあんまり机から離れない。 やがて涼しくなれば、登美彦氏は外の世界に打って出る覚悟だという。 そんなふうに登美彦氏が仕事を口実にして冷房の快楽を味わっていると、ついに活動漫画版『四畳半神話大系』の第一巻が届いたのであった…

 『有頂天家族』(幻冬舎)

いつも暢気にあくびをして締切次郎とダンスを踊っているだけに見える登美彦氏にだって、悩みごとの一つや二つはあるのである。三つも四つもあるのである。そもそもダンスを踊っている当のお相手である締切次郎こそが原因ではないのかコノヤロウ、くたばれ!…

登美彦氏、坂本真綾さんと対談する。

森見登美彦氏は仕事が終わると、ふわふわと角川書店に出かけた。 そうして坂本真綾さんと対談した。 坂本さんは『四畳半神話大系』に登場する明石さんのように、「なぜそんなことをあなたに言わなくてはならないの?」と、登美彦氏をピシャリと冷たくやっつ…

登美彦氏、『四畳半神話大系』最終回を見る。

森見登美彦氏は仕事が終わったあと、角川書店へ出かけて雑誌の取材を受け、『ペンギン・ハイウェイ』300冊にサインをした。 それらの仕事が終わる頃には午前0時を過ぎていた。 登美彦氏は若干焦っていた。 登美彦氏は家路を急ぎ、『四畳半神話大系』が始…

『四畳半神話大系公式読本』増刷御礼

活動漫画版「四畳半神話大系」が四畳半孤独地獄の回を通り過ぎ、ついに今週木曜日深夜に関東では最終回を迎えるというこの時期、発売四日後で『四畳半神話大系公式読本』が増刷となった。編集者氏の謎めいた入魂ぶりが隅々から匂い立つ無意義で楽しい本が増…

登美彦氏、マンガを買う。

森見登美彦氏は社会的有為の人材となるための布石として、新宿の某ビルで開催される研修に参加するために、ふらふらと朝から新宿へ出かけた。 登美彦氏はめったに新宿というようなところに行くことはない。 登美彦氏は案の定、広大な新宿駅構内で方角を見失…

登美彦氏の盟友、『ペンギン・ハイウェイ』を読む

森見登美彦氏の盟友である明石氏は、徹夜で『ペンギン・ハイウェイ』を読み切って、夜明けの街に向かって一人号泣し、「俺もお姉さんに会えるように勉強しよう」と誓ったという。彼はスタートレックに登場する「バルカン人」を理想とする論理機械だが一方で…

登美彦氏の盟友、『ペンギン・ハイウェイ』を買う

洛西の竹林で登美彦氏とともに竹を刈り、しきりに嫁を探していた明石氏は、登美彦氏が東京に転勤になるのと時を同じくして司法修習を終え、東京にやってきた。 彼は大きな弁護士事務所にて、寝る間を惜しんで働いている。 わざわざ東京まで出かけてきたにも…

 登美彦氏、幸せと淋しさを噛み締める。

森見登美彦氏は明日も出勤しなくてはならないのであるが、しかし活動漫画版「四畳半神話大系」を見た。それにしても濃密な九話の素晴らしさはどういうことであるかと登美彦氏は呟く。ここに至って、このへんてこなる活動漫画は、壮大な締めくくりに向かって…

 『ペンギン・ハイウェイ』が助けられた本たち

森見登美彦氏の書いた『夜は短し歩けよ乙女』という小説の中に、「古本市の神様」らしい少年が登場する。彼は「すべての本はつながっている」と述べる。 登美彦氏の書いた本で、世界のどの本にもつながっていない本というものは存在しない。 『ペンギン・ハ…

 登美彦氏、あちこち登場する。

森見登美彦氏はあちこち登場する。 まずは野性時代という雑誌である。 かつて登美彦氏が初めて「特集」というものをしてもらったのが、「野性時代」であった。そして、ありがたいことに今回が二度目の特集となる。 野性時代80号 (6月11日発売) 総力特…

 登美彦氏、サイン会をする。

森見登美彦氏は『ペンギン・ハイウェイ』についてはサイン会をしないことになっていたのだが、いろいろ事情があって、ちょっと遅れてすることになったという。 詳細は下記を参照。 http://yojouhan.noitamina.tv/blog/archives/632 日時:6月20日(日) 14:00…

登美彦氏、圧倒される。

森見登美彦氏は仕事の合間に、活動漫画版「四畳半神話大系」の第七話を見た。放映前であるが、登美彦氏は原作者の立場を利用してDVDを手に入れたのである。 前回においてジョニーが熱く語り出したが、今回は香織さんが語り出す。 かくも危険な脚本を書いた本…

登美彦氏、多忙に立ち回る

五月の登美彦氏はそれはもう多忙であった。 おそらくこれまでで一番多忙な五月であった。 登美彦氏は角川書店の人たちと奈良を探検したり、大江麻理子さんと対談したり、インタビューに答えたりして、「野性時代」の特集の準備をした。登美彦氏と角川書店の…

登美彦氏、大江麻理子さんとモヤモヤ喋る。

かつて我らが森見登美彦氏は、「東京」に用心していた。 なぜなら東京には鉄筋コンクリートの高層ビルがびっしりと立ち並んで植物が生える余地もなく、道行く人間の大半はむやみに高価な羽毛布団を売りつけるたがる金の亡者であり、歩くのが遅い人間は踏み潰…