2008-01-01から1年間の記事一覧

 yomyom v.9

「大日本凡人会」 「大日本凡人會」とは、凡人を目指す非凡人の集いであるという。 往々にして凡人は非凡に憧れるが、非凡人は平凡に憧れる。ここに非凡なる五人の男たちがあり、連日のごとく四畳半に集って、励まし合いながら凡人を目指した。 「凡人になれ…

森見登美彦氏、能登半島をうろうろする。

クリスマスがあと一ヶ月に迫った。 「来るべきときに備えよ!」 登美彦氏は言った。 指をくわえて週末を待つうちに、時間はあっという間に流れ去る。 週末を四回くりかえすと一ヶ月が終わる。 それを十二回繰り返すと一年が終わる。 少年老いやすく学成りが…

 「パピルス」(幻冬舎) 21号

■有頂天家族 第二部 「有馬騒動」 狸は温泉を好む。 父が生きていた頃は、よく家族で電車に揺られて温泉へ出かけた。我が父は湯煙に包まれていれば上機嫌であった。新婚旅行先も温泉であったほどである。 頭領として狸界の隅々にまで世話を焼く父にとって、…

登美彦氏はゆるやかな回復傾向にあり。。。

森見登美彦氏は連載を三つ終えて真っ白に燃え尽きた。 「もう書くのは当分イヤである。御免被りたいなあ!」 登美彦氏がそういう勝手なことを考えていると、本当に書けなくなってしまい、たいへん困ったことになった。 じつにしばしば、登美彦氏は困ったこと…

『夜は短し歩けよ乙女3』(角川書店)

夜は短し歩けよ乙女 (3) (角川コミックス・エース 162-4)作者: 琴音らんまる,森見登美彦出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/09/26メディア: コミック購入: 4人 クリック: 267回この商品を含むブログ (23件) を見る 森見登美彦氏が発熱…

 登美彦氏、映画を観る。

森見登美彦氏は行き詰まった。 これ以上ないほど行き詰まった。 しかも発熱した。 発熱したので、とりあえず一切を棚上げして、登美彦氏はぐうたらする。 そして衝動買いしたDVDを鑑賞する。 この映画は幾度も観ているので、「まさかこれだけ観ていれば泣…

登美彦氏、表紙をこする。

森見登美彦氏は不思議な噂を耳にした。 『美女と竹林』の表紙にある緑色の竹の部分をこすると、うっすらと竹の香りが漂うらしい。 そして、こすった人は例外なく、洛西の竹林に行ってみたくなるという。 各出版社の編集者の人たち、そしてあの万城目学氏も、…

登美彦氏、帯を書く。

森見登美彦氏の近況を報告しなければしなければしなければと思えば思うほど億劫になって、けっきょくのところ、ちっとも報告していない。そして、たとえ報告しなくてもこの忙しなき一日は終わり、赤い糸で結ばれた男女は恋に落ち、サブプライム問題は拡大し…

小説新潮 9月号 

「真夏の人々」 1 水玉ブリーフの男をめぐる対話1 2 三浦さんのバカンス 3 夕焼け麦酒 4 雨宿り 5 水玉ブリーフの男をめぐる対話2 6 夏の想い出 7 ヒイラギの問題 8 カエデさんの問題 9 水玉ブリーフの男をめぐる対話3

『美女と竹林』(光文社)

美女と竹林作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/08/21メディア: 単行本購入: 53人 クリック: 1,984回この商品を含むブログ (196件) を見る 森見登美彦氏はあまりに慌ただしい日々を送っていたので、我が子が誕生することをお知らせするのを…

 登美彦氏、呟く。

森見登美彦氏は夏を満喫することもなく、机に向かって呻いている。 「終わっていく・・・いろいろなものが終わっていく・・・」 「美女と竹林」が。 「恋文の技術」が。 「ヨイヤマ万華鏡」が。 「ペンギン・ハイウェイ」が。 そして、二十代最後の灼熱の夏…

登美彦氏、ぽーにょぽにょを鎮める。

森見登美彦氏は執筆に行き詰まったので、戦友とともに「崖の上のポニョ」を見に行った。 登美彦氏の感想は以下の通りである。 「怖い!怖いよ!」 登美彦氏個人の問題である可能性は否定できないが、彼は「崖の上のポニョ」を見ている間、とくに後半(※嵐が…

登美彦氏、妹を苦しめる。

森見登美彦氏が久々に実家へ戻って四六時中「ぽーにょぽーにょぽにょ」と歌っていたために、彼の妹は「ぽーにょぽーにょぽにょ」が耳について離れなくなり、兄を深く恨んだ。 信頼すべき情報筋(万城目学氏書簡)によると、万城目氏も同じ困難を味わっている…

登美彦氏、晩ご飯を食べる第二部

森見登美彦氏は「ぽーにょぽーにょぽにょ」と心の中で歌いながら、宵山の喧噪を抜けていく。 編集者が一緒なので、声に出して歌ったりはしないのである。 ちなみに登美彦氏は遊んでいるわけではなかった。 小説を書くために取材をしているのである。 取材を…

登美彦氏、晩ご飯を食べる。

森見登美彦氏は「ぽーにょぽーにょぽにょ」と歌いながら夜の烏丸通を歩く。 「どうしてもあの歌が耳をはなれない。誰かなんとかしておくれ!」 登美彦氏の今日の晩餐は以下の通りである。 ・生ビール ・地鶏焼き鳥 ・たこ焼き ・焼きそば 「焼きものしかない…

「asta*」 8月号

恋文の技術 第十一話「大文字山への招待状」 十一月五日(森見登美彦より守田香織宛て) 拝啓 日に日に秋の深まる候、いかがお過ごしでしょうか。 小生はたいてい机の前でふくれております。 先日、『きつねのはなし』という本ができ上がりました。 書店で見…

 登美彦氏、口走る。

森見登美彦氏は、竹熊健太郎氏の名著『篦棒な人々』を読んで以来、「篦棒」という言葉が気になってしかたがないという。 ヘンテコな言葉である。 辞書を調べると、「便乱坊」という妙な言葉まで出てくるのである。 なによりも語感がスバラシイというのが登美…

登美彦氏、また驚く。

森見登美彦氏はウィキペディアの項目が訂正されているのを見て驚いた。 「はや!」 「どなたか知らないが、ありがたいありがたい」 登美彦氏は言っている。

登美彦氏、否定する。

おおかたの読者の予想通りにナルシストな一面もある森見登美彦氏は、ウィキペディアで自分の項目を眺めて悦に入っていたのであるが、『夜は短し歩けよ乙女』の項目に「アニメ化が決定している」と書いてあるのを見て驚いた。 「決定してないよー。そもそも、…

登美彦氏、現代の本を読む。

森見登美彦氏は途中で読むのを止めることができなかったという。

 「パピルス」(幻冬舎) 19号

「大文字納涼天狗合戦」(有頂天家族第二部) 物欲を満たすことに重きをおいて肝心なことを軽んじるのは人間の十八番だが、狸だってえらそうなことは言えない。世の中に散らばっている珍奇なもの、ピカピカしたもの、かわゆいものが、狸たちの尻をむずむずさ…

 yomyom vol.7 (新潮社)

「この文章はぶっつけ本番で書くのである」という文章を、登美彦氏がぶっつけ本番で書いている。 ただし、校正はきちんとしたのである。

『夜は短し歩けよ乙女2』(角川書店)

森見登美彦氏が、あまりにも時空的に圧縮されたあげく自然発火した締切次郎たちを鎮火するのに夢中になっている間に、2次元化された乙女が増殖していたのであった。 琴音らんまる氏のがんばりである。 登美彦氏はまた懲りずに巻末に文章を書いている。 「そ…

登美彦氏、現代の本を読む。

 登美彦氏、トイレの心配をする。

森見登美彦氏は、国際宇宙ステーションが「トイレ壊れる」という未曾有の危機に直面していることを知った。 ただ、「スペース・トイレ」とは壮大な話なので、つい冗談のように感じられてしまう。 「これこそ、対岸の火事というべきであろう!」 しかし、これ…

登美彦氏、うろうろする。

森見登美彦氏の日々の行動を報告しようと思うのだが、五月〜六月にかけてはほとんど机上の戦いに終始しているので、おもしろおかしい出来事が何もない。 「このおもしろおかしくもなさが書くものにまで波及したらどうする!もしくは、もう手遅れかもしれない…

 登美彦氏、大団円を発掘する。

昨深夜、森見登美彦氏は小説宝石に連載中の「美女と竹林」を書き終えた。 大団円であった― と、登美彦氏は一部関係者に吹聴している。 「竹林は我らとともにあり!」

 登美彦氏、現代の本を読む。

森見登美彦氏は帯に言葉を書いた。 今日マチ子氏のマンガである。 どきどきしたのでどきどきしたのだと書いたのだが、 じっさいに本ができあがってみると、 「森見登美彦氏」という帯の文句が、 この美しいマンガの足を引っ張っているように、 思われた。 ふ…

登美彦氏、映像化について考える。

今となっては昔の話である。 桜が散る前のことであった。 森見登美彦氏は凍狂へ旅立ち、講談社というところを訪ねて遊んだ。そのあと、productionI.Gというところを訪ね、「アニメーション」がどれほど手間のかかるものかということを覗き見て恐れ入り、神山…

「asta*」 2008.6

恋文の技術 第十話「伊吹夏子さんへ(失敗書簡集)」