2012-01-01から1年間の記事一覧

三文人やわらか問答

諸事情により、直前の告知となってしまったけれども、 次のようなイベントが開催される。 「三文人」というのは、なんだかエバっているわけではない。 万城目氏の提案した中江兆民の元ネタをいじっているうちに分かりにくくなっただけであり、綿矢さんと登美…

登美彦氏、CMを観る。

森見登美彦氏は暗礁を抜け、締切次郎との和解を図っている。 怠け者の尻を叩く。ぺちぺち叩く。 とにかく、書くほかないのである。 さて、そんなふうに登美彦氏が机に向かって呻吟していると、 『ペンギン・ハイウェイ』のCMがポコンと生まれた。 自分の作品…

 『ペンギン・ハイウェイ』 (角川書店) 11/22

ある日のこと。 気がつくと夏が終わっていた。 森見登美彦氏が、 「おや夏が終わった。秋が来たナア」 と呟いていたら、 秋の風情を味わう余裕もないうちに冬みたいな風が吹き、 登美彦氏の尻を冷やしたりするのであった。 登美彦氏が奈良へ引き籠もって、は…

 登美彦氏、潮が満ちるのを待つ

森見登美彦氏は小説を書いている。 昨年の夏。 プツンと緊張の糸が切れ、 何もかもが停止した。 迷走しているうちに時間が過ぎた。 沈黙している場合ではなかったが、 沈黙するほかなかったのである。 幸いなことに締切次郎は駆逐された。 今のところ、やつ…

 登美彦氏、名探偵とその父親に敬意を表する

先日、森見登美彦氏は「Sherlock」というドラマを観た。 シャーロック・ホームズを現代のロンドンに甦らせたドラマで、 その豪快なハッタリぶりがたいそうステキなドラマであった。 登美彦氏はワクワクして観たのである。 ドラマは続きが気になるところで終…

 登美彦氏、映画を観る

登美彦氏は映画館へコップを一つ持っていった。 映画が進むにつれて、ぽたりぽたりと水が降ってきて、 そのコップに少しずつ溜まっていく。 いちどに降ってくるのはちょっとだけ。 ぴちゃんという音もしなかった。 まるで魔術のように、水はまっすぐコップ目…

 宵山万華鏡 (集英社)

このところ、森見登美彦氏は奮闘している。 仕事をしている。 とはいえ、締切次郎とは睨み合っていない。 およそ一年前に召還された締切太郎によって、 登美彦氏の息の根を止めかけていた締切次郎たちは駆逐された。 あのつぶらな瞳をした小太りのオッサンた…

 芸術新潮 2012年 6月号

森見登美彦氏が水面上にポコンと浮かび上がったり、 また水面下にもぐりこんだりしているうちに、 奈良の盆地に陽は昇り、また沈み、 あれほどまばゆかった新緑もだんだんへこたれてきた。 いつの間にか春が終わる。 登美彦氏はときどき仕事をしている。 あ…

登美彦氏、小説を読む。

森見登美彦氏は最近、こういう小説を読んだ。 ときどき登美彦氏は、書店で平積みされている本を読み、 アップトゥデートなジェントルマンになろうとこころみる。 たいてい無駄な努力に終わる。 登美彦氏はこの小説をグイグイと読まされてしまい、 その結果、…

 登美彦氏、春を迎える

森見登美彦氏は生きている。 じわじわ元気になってきた。 先日の筆者の書き方が下手くそで、 大勢の人に心配をおかけしたことをお詫びします。 「あんな書き方したら心配されるのは当然ですよ」と万城目学氏も言った。 しかし、登美彦氏の一番苦しい時期はも…

 登美彦氏、鉄道で旅をする

森見登美彦氏は、どっこい生きている。 登美彦氏はつい先日まで、ふいに息が苦しくなることがあった。 心臓がへんな動きをすることもあった。 登美彦氏の身体に問題はないようである。 しかしそう言われても、怖いものは怖い。 怖い怖いと思いながら我慢して…