『終電車ならとっくに行ってしまった』(新潮社)

 
 


 かつて森見登美彦氏が締切・朝日新聞・次郎と地獄のような泥仕合を演じていた最中、まったく本人に責任がないにもかかわらず泥仕合に巻き込まれ、締切次郎との先行きの見えない厳しい攻防を強いられた人物がフジモトマサル氏である。
 そういうわけで、登美彦氏はフジモトマサル氏にたいへんお世話になったという。
 そして、登美彦氏がたいへんお世話になったところのフジモトマサル氏による新刊『終電車ならとっくに行ってしまった』が11月25日に刊行される。


 さて、このような書き方をすると、まるでフジモトマサル氏が筆者の尻を鋭い絵筆でつっついて、「ホラあのときの貸しをそろそろ返してもらってもいいのじゃないかしら」と冷たい囁きで恫喝し、こんなことを書かせているのだろうと邪推する人があるかもしれない。
 そんなことは決してない。
 決して、ない。
 と、筆者が書けば書くほど胡散臭くなって、ひいてはフジモトマサル氏の人格を疑うような人が出てきては一大事であるから、筆者はもう余計な口をきくのを止めるべきである。
 絵と文章ともに面白く不気味かつ淋しい。
 つまりステキであるから、登美彦氏もミムラ氏とともに帯に言葉を寄せている。


 担当者の方によるお知らせは以下である。


 『終電車ならとっくに行ってしまった』の刊行を記念して、初のフジモトマサルさんグッズを限定発売します。
 本書のおともに最適「ナマケモノ」マグカップ発売決定。
 マグカップは「海」と「宇宙」の二種類(ペアでオススメ)
 「海」と「宇宙」、それぞれ限定200個
 デザインは本書と同じく名久井直子さん
 詳しくは、新潮社オンラインショップで(この詳細は11月25日にアップの予定です)
 http://www.shinchosha.co.jp/