文庫

『作家の口福 おかわり』(朝日文庫)

作家の口福 おかわり (朝日文庫)作者: 朝井リョウ,ほか出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2016/09/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 森見登美彦氏は、月に一度、研究室時代の先輩と飲みにいく。 行く先は京都市内の賑やかな居酒屋であ…

『聖なる怠け者の冒険』(朝日文庫)

聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2016/09/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る 森見登美彦氏が散歩していると涼しい風が吹いてきた。 「空は夏、風は秋」 登美彦氏はなんとなく詩人風の…

『まいにち有頂天! 日替わり31のことば』 (幻冬舎文庫)

まいにち有頂天! 日替わり31のことば (幻冬舎文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2016/02/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 暢気な狸たちの絵に、『有頂天家族』シリーズから選んだ31の言葉を添えた本である。 ポスト…

『新釈走れメロス他四篇』(角川文庫)

新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2015/08/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 森見登美彦氏の『新釈走れメロス他四篇』が角川文庫の仲間入りをする。 八月二十五日頃から書店…

「日本文学100年の名作」 第10巻 (新潮文庫)

森見登美彦氏の短編「宵山姉妹」が収録されている。 1914年から、短編小説によって日本の百年を辿るというシリーズの一冊である。 (※「宵山姉妹」は『宵山万華鏡』のうちの一篇) 「日本文学100年の名作」という立派なシリーズタイトルゆえに、当日誌で紹介…

 『ペンギン・ハイウェイ』 (角川書店) 11/22

ある日のこと。 気がつくと夏が終わっていた。 森見登美彦氏が、 「おや夏が終わった。秋が来たナア」 と呟いていたら、 秋の風情を味わう余裕もないうちに冬みたいな風が吹き、 登美彦氏の尻を冷やしたりするのであった。 登美彦氏が奈良へ引き籠もって、は…

 宵山万華鏡 (集英社)

このところ、森見登美彦氏は奮闘している。 仕事をしている。 とはいえ、締切次郎とは睨み合っていない。 およそ一年前に召還された締切太郎によって、 登美彦氏の息の根を止めかけていた締切次郎たちは駆逐された。 あのつぶらな瞳をした小太りのオッサンた…

 恋文の技術 (ポプラ社)

森見登美彦氏は絶え間なく襲いかかる締切次郎との死闘にへたばり、 ここでその日常を報告しなかった。 そろそろ復活しなくてはならぬと重い腰を上げようとした途端、 そこに大震災がやってきて、またしても言葉を失った。 こういうたいへんな時期にあっては…

 『美女と竹林』 (光文社)

森見登美彦氏の作品の中でも、無益さにかけては他の追随を許さない作品が小型化される。 当初、登美彦氏は「竹を刈る」という斬新なテーマの連載エッセイに挑んだと主張していたが、そのような気配は開巻早々消え失せる。 そこから先に広がるのは恐るべきぐ…

 『有頂天家族』(幻冬舎)

いつも暢気にあくびをして締切次郎とダンスを踊っているだけに見える登美彦氏にだって、悩みごとの一つや二つはあるのである。三つも四つもあるのである。そもそもダンスを踊っている当のお相手である締切次郎こそが原因ではないのかコノヤロウ、くたばれ!…

 『奇想と微笑 太宰治傑作選』(光文社)

十一月十日、登美彦氏の甥が書店に登場するという。 太宰治生誕百年の二○○九年がそろそろ終わりに差し掛かる頃、 なんとか間に合ったのである。 森見登美彦氏は、はじめて「アンソロジー」というものを作った。 作品を選ぶのはじつに楽しいけれども、またム…

 『新釈走れメロス他四篇』(祥伝社)

※発売予定日10月15日(木) 芽野史郎は激怒した。必ずかの邪知暴虐の長官を凹ませねばならぬと決意した。 芽野はいわゆる阿呆学生である。汚い下宿で惰眠をむさぼり、落第を重ねて暮らしてきた。しかし厄介なことに、邪悪に対しては人一倍敏感であった。…

 『四畳半神話大系』(角川書店)

森見登美彦氏はついにできあがった「小型化した次男」を受け取った。 そしてしみじみと嬉しかった。 登美彦氏は何一つ特筆すべき趣味のないつまらない男と言われることが多いが、しかし「小型化した自分の本を撫でまわす」という立派な趣味を持っている。 「…

太陽の塔(5月29日発売)

新潮文庫版刊行に際し、森見登美彦氏は以下のように述べた。 日本ファンタジーノベル大賞を受賞した後、のらりくらりと日を送るうちに、処女作が文庫本となる幸運にめぐまれた。日本全国津々浦々へ、よりコンパクトでお手頃価格となった恥ずべき青春を垂れ流…

 「太陽の塔」(予告)

森見登美彦氏は、「太陽の塔」が文庫本になるということを、ごく一部関係者に明かした。 ところで、文庫本には解説なるものがつく。登美彦氏は、氏の薄暗き青春に温かい一筋の光を投げかけた恩人の手になる解説を読むのを心待ちにしているという。黄金の「解…