2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

登美彦氏、なんだかうごうごする

森見登美彦氏は身辺が色々と賑やかになってきたので、何から手をつければよいか分からず、うごうごしている。 何から手をつければよいか分からないというのは「もののたとえ」であって、実際のところ手をつけるべきは、本日華麗に踊りながら素通りした締め切…

登美彦氏、週末へ立ち向かう

森見登美彦氏はコンビニエンスストアにて、カップヌードル塩の無料引換券を当てた。 次々と畳みかける幸運の量が半端ではない。 こんなことはあり得ない。 登美彦氏は不安に襲われている。 「禍福はあざなえる縄のごとし。幸運の次には不幸が来るに決まって…

登美彦氏、追い風を受ける

このところ森見登美彦氏は続けざまに幸運に恵まれている。 本日登美彦氏は、自分が確実に追い風を受けていることを確信したという。 なぜならコンビニで夕食を買ったところ、ヤマザキ超芳醇の無料引換券が当たったからである。 「諸君、我が人生に追い風が吹…

登美彦氏、にやにやする

森見登美彦氏は昨日から、ずうっと顔がほころんでいる。そして世の中のすべての人に対する愛に満ち溢れている。身体中から愛と幸せが垂れ流しである。「幸せの押し売りはやめろ」と関係者から非難の声が上がっている。

登美彦氏、感涙する

森見登美彦氏は古今未曾有のとてつもない吉報を受け取り、比叡山に向かって雄叫びした。あまりにもメデタイことなので、その喜びを適切に表現することは登美彦氏の手に余るという。したがって詳細は報じない。

登美彦氏、吉田山の先生と語らう

「貴君の『深海魚たち』を拝読したよ」 「ありがとうございます」 「私をモデルにしたのだからモデル料を貰わんといかん」 「あげません」 「そういうことを言っていると、あいつは他人をダシにして原稿料を稼ぐ不届きな奴ということで、世間に顔向けができ…

登美彦氏、本を受け取る

森見登美彦氏は午前十一時に京都ロイヤルホテルにて角川書店の編集者と会談を行い、「Sweet Blue Age」の見本を受け取った。たいへん美しい装幀であり、五月の陽射しの下で万博公園の芝生へ寝転んでいるかのごとき爽やかさ― 体内に漲る男汁が雲散霧消するか…

「Sweet Blue Age」(2月21日発売)

Sweet Blue Age作者: 有川浩,角田光代,坂木司,桜庭一樹,日向蓬,森見登美彦,三羽省吾出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/02/21メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 603回この商品を含むブログ (109件) を見る 森見登美彦氏は述べる。 「華やかなアンソロ…

登美彦氏、懐中の甘味物を増やす

森見登美彦氏は、二人の編集者から甘味物を受け取った模様。 男性から贈られたものは勘定に入れていない。それ以前に視野にも入っていない。 「総数3コに上る、血縁を土台にしない甘味物を我が手に握る。これは森見登美彦史上、画期的な出来事だ」と氏は述…

「小説NON」3月号(2月22日発売)

「藪の中」 たしかに、あの映画「屋上」には失われたラストシーンがある。 ― 撮影中に、さぞや見るに堪えない修羅場があったんだろう。 しかし自分でまいた種だ。 そもそもあんな企画を立てるのが、人倫に反しているんだ。男二人に女一人、密室に近い環境に…

登美彦氏、聖バレンタインデイチョコを手に入れる

森見登美彦氏が惑溺してはばからないLOFTの文房具フロアにバレンタイン用のコーナーができて、手帳のたぐいが隅に追いやられてしまった。 憤激した登美彦氏がうろうろしていると、ポスターが目に入った。 「告白しなかった恋は、どこへ行くのだろう」 「…

登美彦氏、風邪をひく

森見登美彦氏は祖母の通夜で線香の番をした時に隙間風に吹かれたためか、どうにも風邪気味である模様。鼻をぐずぐず言わせてポカンとしていると、祖母が実家でまだ暮らしているような気がしてならず、登美彦氏は未だに半信半疑である。

登美彦氏、祖母転居の報せを受ける

森見登美彦氏は迫り来る締切にそなえて英気を養うため、近所のスーパーで軽やかに買い出しを行っていたが、祖母が実家にて食事中に倒れ、救急車で運ばれたという妹からのメールを受け取った。 慌てて買い物かごを放り出し、登美彦氏は電車に乗った。 そして…

登美彦氏、憧れる

ときおり衝動的にCM評論家となる森見登美彦氏は、月桂冠「つき」のCMを好むことを以前から一部関係者に漏らしていたが、最近になって「ふたりの貝編」を見て、やはり胸しめつけられる思いを味わったという。 ちなみに登美彦氏は「目撃編」を最も好む。こ…

「野性時代」3月号(2月13日発売)

「深海魚たち」 追う男。 「読書に生半可な色目をつかったあげく、ウワサの恋の火遊びは山の彼方の空遠く、清らかだった魂は埃と汚辱にまみれ、空費されるべき青春は定石通りに空費された。古本市の神よ、我に知識ではなくまず潤いを与えよ」 歩く乙女。 「…

登美彦氏、豆をまく

森見登美彦氏は吉田神社の節分祭へ出かけた。 その夜、京都はおそろしく冷え込んで、歩いているうちに雪が降りだした。 夜店のあいだを抜けていくあいだに雪は本降りになって、登美彦氏の頭に降り積もった。大勢の人が押し合いへしあいしながら参道を抜けて…