2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

 宵山万華鏡 (集英社)

このところ、森見登美彦氏は奮闘している。 仕事をしている。 とはいえ、締切次郎とは睨み合っていない。 およそ一年前に召還された締切太郎によって、 登美彦氏の息の根を止めかけていた締切次郎たちは駆逐された。 あのつぶらな瞳をした小太りのオッサンた…

 芸術新潮 2012年 6月号

森見登美彦氏が水面上にポコンと浮かび上がったり、 また水面下にもぐりこんだりしているうちに、 奈良の盆地に陽は昇り、また沈み、 あれほどまばゆかった新緑もだんだんへこたれてきた。 いつの間にか春が終わる。 登美彦氏はときどき仕事をしている。 あ…