2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

 「パピルス」(幻冬舎) 15号

■有頂天家族 第二部 「二代目の帰朝」 洛中でうごうごする狸たる私に、散りゆく桜の淋しさを杯盤狼藉で紛らわす人間たちを嗤う資格はない。花吹雪の下で浮かれる人間に交じって、狸もまた浮かれるからである。一寸の虫にも五分の魂、たとえ毛深い狸といえど…

登美彦氏、走りだす。

登美彦氏はまだ完全回復とまではいっていない模様だが、とりあえずいろいろな用事を片づけるべく、走りだした。 まずは木曜の夜まで頑張って走るという。 しかし、自分がなぜ走っているのか登美彦氏には分からない。 誰にも分からない。 神様でなくちゃ分か…

「野性時代」 11月号

最愛の一冊と至福の読書空間 森見登美彦氏が最愛の一冊と至福の読書空間について短い文章を書いている。

「小説宝石」 11月号

美女と竹林 「孟宗竹分解法講義」 皆さん、こんにちは。森見登美彦と申します。 これから語ることは、多くの人にとって実益のないことですが、私はかつて裏山の和尚さんに「基本的に実益のないことしか語ることができない呪い」を掛けられていますから、諦め…

「小説すばる」 11月号

ヨイヤマ万華鏡 「宵山劇場」 遅れて来た女は、小長井の姿に気づいて、「アッ!」と言った。 「お前か!」と小長井は呻いた。 山田川敦子は、前年の学園祭におけるゲリラ演劇プロジェクト「偏屈王」の豪腕美術監督であり、あらゆる制止を振り切って、工学部…

 登美彦氏、復活する。

森見登美彦氏は「死んでいるのではないか?」と両親に心配をかけたりしながら、栄養をたっぷり取り、睡眠をたっぷり取り、順調に回復している模様。 しかしもろもろの予定はさらに悪化している模様。

登美彦氏、発熱する。

軟弱者の森見登美彦氏は、本日朝あたりより体調を崩し、現在自宅の布団内部にて、つかうあてのない熱量を着々とこの世へ生み出している。〆切が続くと、ときどきこういうことになるのだ。 登美彦氏は呟く。 「或る意味、陸の孤島だ!」 何かと懸念される編集…

登美彦氏、有頂天サイン会の想い出にひたる。

何度やっても慣れなくて、むしろ気が進まないのだが、登美彦氏は東京のサイン会へ出かけた。 登美彦氏はサイン会の直前になると逃げ出したくなるのだが、担当編集者の小玉さんがそのきらきらする純真な小狸のごとき瞳を潤ませる羽目になったら可哀想だと思っ…

登美彦氏、陸の孤島へ行きたがる。

以前にも一度書いたことだが― 「忙しい、忙しい」と忙しがっている人間ほど、実は大して忙しくない。 黙って手を動かす人ほど着実に多くの用事を片づけているものだ。 そういうことがある。 それゆえに、「忙しい」と呟いてばかりいる登美彦氏は忙しくないは…

登美彦氏、抗議する。

この項目は削除しました。 当日誌の執筆者はこの項目を読み返し、基本的に愉快であることを目指す当ブログに、登美彦氏個人の鬱憤晴らしのためのような記事を載せるべきではなかったと反省した。たしかに、これはみっともないことであった。登美彦氏の不愉快…