2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

登美彦氏、アニメを観る。

ずいぶん以前にRobotというふしぎな名前の会社の人からもらったDVDである。 登美彦氏は「ええのう!」と言いながら繰り返し観た。 短いので、何度でも繰り返して観られる。 そして観るたびに切ない気持ちになるのであった。 「しかし、あんな風な家があれば…

登美彦氏、ぬくまる。

登美彦氏の小型化した娘は、その小ささにものを言わせ、日本全国津津浦々へもぐりこもうとしているらしい。 「警戒せよ。知らぬうちに書棚にもぐりこまれている危険がある!」 登美彦氏は警告している。 そして、さらにこう言っている。 「増刷御礼」 ところ…

登美彦氏、「あぶう」と言う。

森見登美彦氏は「あぶう!」と言ってみた。 日誌を更新するためである。 なぜかというと、いつまでもいつまでも、 「結婚した」 という日誌がてっぺんにあるのが照れくさい。 そして、たいへん大勢の人が祝ったり呪ったりしてくれるのが、 なんだか照れくさ…

登美彦氏、かぐや姫を迎える。

竹林はざわざわと揺れ続けている。 締切次郎は、登美彦氏のズボンの裾を引っ張っている。 「お願いします!『太郎』は、マジでやばい」 「ええい、かまわぬ。知ったことか!」 「太郎が来たら、それこそ何もかも、容赦なく締め切られてしまうのですよ。僕な…

 登美彦氏、締切次郎を蹴散らして走る。

猥褻なまでに潤んだ瞳でおのれを見上げる締切次郎を見つめ、 森見登美彦氏は負けじと瞳を潤ませた。 「仕事、始めない!」 登美彦氏は叫んだ。 「いやいや、仕事始めなんですよ」 締切次郎は猫なで声をだす。「そろそろ始めないと、あれもこれも…」 「黙れ、…

登美彦氏、竹林をさまよう。

森見登美彦氏は竹林をさまよっている。 竹林をさまよいながら、 「今年もたいへんな一年になるだろう」 と考えている。 いささか賢人チックに見えないこともない。 すべて計算である。 登美彦氏は経済にくわしいとは言えない。 それでも世の中が暗い感じにな…

登美彦氏、愛娘と一緒に新年を迎える。

登美彦氏は正月を愛娘と一緒にぐうたらして過ごした。 「お父様、明けましておめでとうございます。ぺこり」 「うむ、おめでとう。しかし、おまえ、ずいぶん小さくなったのう」 「あい。こんなにも小粒に。まるでひよこ豆といっても過言ではないのです」 「…