2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

登美彦氏、二種類の死の瀬戸際に立つ

森見登美彦氏は先日来、不運の神につけねらわれていた。 「幸運の女神」というぐらいだから幸運を司るのは美しい女性に決まっているが、不運の神は小太りの三十男で、肌がつやつやしている。そしてつぶらな瞳である。なぜだか登美彦氏はそう思いこんでいる。…

太陽の塔(5月29日発売)

新潮文庫版刊行に際し、森見登美彦氏は以下のように述べた。 日本ファンタジーノベル大賞を受賞した後、のらりくらりと日を送るうちに、処女作が文庫本となる幸運にめぐまれた。日本全国津々浦々へ、よりコンパクトでお手頃価格となった恥ずべき青春を垂れ流…

登美彦氏、深夜の本屋にて慄然とする

先日のことである。 森見登美彦氏は若いおなごにきゃあきゃあ言われることウケアイと言うべき憂いをたたえた表情で、のそのそ本屋を歩き回っていた。 深夜であった。 客は登美彦氏のほかは誰もいなかった。 店内には何か歌が流れていたが、ふと登美彦氏はそ…

登美彦氏、物欲に使役せらるる

最近、登美彦氏はクレールフォンテーヌのノートを買った。エグザコンタのパートファイルを買った。三谷幸喜氏の演劇のDVD「オケピ!」を買った。三谷幸喜氏の演劇のDVD「グッドニュース・バッドタイミング」を買った。三谷幸喜氏の演劇のDVD「笑の…

 登美彦氏、未来へ目を向ける

森見登美彦氏が長い地下生活に区切りをつけて地上へ出てみると、世界はみずみずしい新緑に包まれ、「夏か」と思うほど暑かった。 あまりにも長い地下生活を余儀なくされた登美彦氏はその美白ぶりに磨きをかけていたので、道行く美白好きの乙女たちが一人残ら…

登美彦氏、ふたたび籠城を始める

森見登美彦氏はふたたび籠城を始めた。 氏は書き続けている。 「事件は現場で起こってるんじゃない。机上で起こってるんだ!」 登美彦氏はヘンテコなことを闇雲に口走る。 しかしながら、氏の机上で起こっている事件が大した事件でないのは言うまでもない。

登美彦氏、勘違いする

森見登美彦氏は三日間にわたる籠城を続けていたが、とりあえずの成果を得て、残りの希望は「黄金週間」の後半に託すことに決めた。そして風呂に浸かって髭を剃った。 ところで、おおかたの人間が理解しているように、登美彦氏はかなりの阿呆である。どれぐら…