2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

登美彦氏、籠城を始める

森見登美彦氏は、春の日射しも届かない地下室に籠城を始めた。 浮き世の人々は、黄金週間には外界へ打って出て見聞を広めるというが、登美彦氏は妄想の世界へ打って出る。その孤独な作業によって、いかなる見聞が広め得るのか、登美彦氏にも分からない。ただ…

登美彦氏の御母堂、文句を言う

森見登美彦氏の御母堂は、我が子に関しては妙に自信満々な肝っ玉母さんとして名高いが、幻冬舎「パピルス」に掲載されたインタビュー記事、 「今やすっかり三枚目作家の印象が付いている。だが写真を見ればお分かりの通り、本人の見た目は二枚目寄りで(略)…

登美彦氏、注意を喚起する。

森見登美彦氏はムツカシイ顔をして立ち上がり、会場を埋め尽くした聴衆に向かって、次のように演説した。 「みなさん!運転免許証の更新手続きは忘れないようにしましょう!たとえ車を持っていない似非ドライバーであるにせよ、「うっかり失効」してはなりま…

登美彦氏、おしゃれ下着を身につける

森見登美彦氏は、鮮やかな青色の新品タオルと下着を洗濯機に放り込んだが、洗濯が終わってみると、白い下着が青色のまだらに染まっていた。登美彦氏はもやもやと青色マーブルチョコみたいになった下着をしばし睨んでいたが、やがて気にせぬふりをして着た。 …

登美彦氏、肩書きにこだわる

森見登美彦氏は、先日、同僚の恩田氏と議論した。 恩田氏は桃山御陵前駅の改札の向こうから「おい、売れっ子!」と叫んだり、「四畳半神話大系」の著作権*1をおとなしく俺に引き渡せと言ったり、「太陽の塔」文庫化の印税で「俺にパソコンを買え」「俺にデジ…

 「太陽の塔」(予告)

森見登美彦氏は、「太陽の塔」が文庫本になるということを、ごく一部関係者に明かした。 ところで、文庫本には解説なるものがつく。登美彦氏は、氏の薄暗き青春に温かい一筋の光を投げかけた恩人の手になる解説を読むのを心待ちにしているという。黄金の「解…

 登美彦氏、阿呆に阿呆を塗り重ねる

森見登美彦氏は、己の恥を満天下にさらすことにあるていど目をつむれば乗り越えられる暗礁をあえて直視して切り崩そうとしているが、ナントカしようとすればするほど暗礁は眼前に盛り上がり、やがてエベレストみたいに高くなってしまった。 ようするに登美彦…

幻冬舎「パピルス」6号(4月28日発売予定)

「大文字納涼船合戦」 狸はまねることを信条とする。 花鳥風月をまねるのも風流だが、やはりいちばん味があるのは人間をまねることであろう。そうやって人間の生活や行事にどこまでも相乗りして遊ぶのが、なんだか妙に面白い。このやむにやまれぬ性癖は、遠…

登美彦氏、反乱を鎮圧する

森見登美彦氏が日々縦横無尽に使っているパソコンがへんてこな動作をし始め、登美彦氏の都合を考慮せずに電源を切ったりするようになった。反抗期であろう。 登美彦氏は一から性根をたたき直してやろうと考え、再セットアップという禁断の秘技を行ったが、そ…

巨星堕つ

森見登美彦氏は自分のあまりの教養のなさを反省して、「北斗の拳」を読んでいたが、とうとうラオウがケンシロウに敗れた。「我が生涯に一片の悔いなし!!」とは、なんにしろとてもすごい最期の言葉であると登美彦氏は考えた。ラオウほどの男が言うのだから…

登美彦氏、敵に囲まれる

四方を複数の敵に囲まれる。 不利である。 ラオウかケンシロウぐらいの力をもってすれば、それらの敵を一撃で粉砕することも可能であろう。しかし、哀しいかな、登美彦氏はラオウでもケンシロウでもない。 ただし登美彦氏の敵は、ヨボヨボの爺さんから大切な…

登美彦氏、叫ぶ

登美彦氏は叫んだ。 「誰でもよろしい、にっちもさっちもいかない局面を打開する画期的アイデアが湯水のごとく湧き出てしょうがないモテモテナイスガイになる経絡秘孔をついてくれたまえ。痛くしないで。さあ、はやく。ひでぶっ」

登美彦氏、デンジャラスとなる

森見登美彦氏は悶々と日々を過ごしている。 なにゆえ悶々としているのか。 なぜなら書き物がいっこうに進まないからである。 その芳醇かつ至高の味わいをもつ僅少な作品群を熟読玩味すれば察しがつくように、登美彦氏はひじょうにのろのろと書く。三歩進んで…