2007-01-01から1年間の記事一覧

「asta*」 10月号

恋文の技術 第六話「続・私史上最高厄介なお姉様へ」 これは守田一郎による犯行声明であります。 パソコンの在処を教えて欲しければ、以下の要求にこたえよ。 一、守田一郎を顎で使わない 二、朝と晩には必ず守田一郎のおわします方角に向かって礼拝する 三…

登美彦氏、東京より帰還

森見登美彦氏は昨日夕方より東京へ出かけていた。 そうして幻冬舎の方々とお酒を飲みながら『有頂天家族』の重厚な装幀を眺めて有頂天となり、ホテルに泊まって精神統一のためにレゴを作り、角川書店の人たちと打ち合わせをし、NHKへ出かけてテレビに出た…

登美彦氏、ハッと気づく。

登美彦氏は「むつかしいヨむつかしいヨ」と泣きべそをかきながら、京都文学散歩のような文章を書いていた。 ときおり、登美彦氏を「読書家」だと勘違いする人がある。 しかし登美彦氏は「読書が好きでたまらない」というような純粋な魂を持つ読書家ではない…

登美彦氏、時空を歪める

森見登美彦氏は何を間違ったか、締切をいろいろと重ねてしまった。 あまりにも締切が重なると、いろいろと宇宙的な問題が起こって、時空がゆがむという。 登美彦氏はその時空のゆがみを利用して、締切がすべて終わった九月後半へタイムスリップする計画なの…

登美彦氏、旅を渇望する。

森見登美彦氏はどこにも出かける余裕がないにもかかわらず、青春18切符を買っていないにもかかわらず、携帯用時刻表の8月号を買った。「これでいつでも旅に出ることができますぞ」と登美彦氏は言っているが、明らかに現実逃避である。いと哀れなることな…

登美彦氏、自家中毒になる。

森見登美彦氏は延々と「ゲラ刷り」というものを読み続けている。登美彦氏はゲラ刷りを読むことが苦手である。当然ながら、どこまでいっても変わり映えのしない、自分の書いた文章だ。だんだん腹が立ってくる。「いったいこの人はなんでこんなに延々と書いて…

登美彦氏、危機。

行き詰まった登美彦氏は「うおおおー」と心のうちで叫びながら自転車にまたがり、京都の街を疾走した。 青々とする夏の山を見上げながら、走りに走った。そうして喫茶店で食事をした。運動をして気分を転換し、少し落ち着いたので仕事に戻ろうとしたところ、…

「別冊文藝春秋」9月号

森見登美彦氏と万城目学氏の対談が載っている。 西国一の聞き上手として名高い万城目氏の術中にはまり、ちゃんと話すのは初めてのくせに登美彦氏がべらべらと喋っている。 まことに情けないことである。 登美彦氏は以下のように語っている。 「万城目氏から…

 「ダ・ヴィンチ」9月号

登美彦氏の特集が行われている。 登美彦氏の書きつづってきた恥ずかしい台詞がいろいろ並んでいる。 登美彦氏が毛深い第五男、すなわち『有頂天家族』について語っている。 登美彦氏のまったく信用できない年譜が掲載されている。 登美彦氏によるあまり観光…

登美彦氏、現代の本を読む。

登美彦氏はしきりに唸っている。 「おもしろい。でもグロい。しかし、これはおもしろい。恐い。グロテスクでない箇所が、とくに恐い」 [rakuten:book:11931311:image] *気持ちの悪い話がきらいな人は決して読んではいけない。危険である。 *カタルシスを求…

登美彦氏、流儀に反することをする。

森見登美彦氏は、トップでもなく、ましてや走っているわけでもない。 にもかかわらず、NHKの「トップランナー」に出かけていくことを、一部関係者に明かした。 トップランナーではスタジオ観覧者を募集しているという。 だがしかし、わざわざ登美彦氏を眺…

登美彦氏、手拭いをぶらさげて選挙へ出かける

森見登美彦氏は権利を行使するために、投票所へ行くことにした。 登美彦氏は、最近になって唐突に手拭いに「開眼」したため、珈琲豆の模様の入った黄土色の手拭いをひらひらとぶら下げている。 銭湯へ行くのではない。 選挙へ行くのである。 けれども登美彦…

登美彦氏、発見をする。

森見登美彦氏の部屋は、「毛深い子」執筆、その他もろもろのドタバタのために、ほとんど機能を失っていた。 机のうえには本やFAX用紙やメモ帳が散乱し、台所には汚れた皿が積み上がり、洗濯物は溢れ、床はまた足の踏み場がなかった。このままでは、やるべ…

 「野性時代」 8月号

森見登美彦氏が山本周五郎賞の授賞式のために東京へ出かけて、右往左往している様子が少しだけ載っている。

「小説すばる」 8月号

ヨイヤマ万華鏡 「狂言金魚」 掛川は「超金魚」を育てた男として名高い。 超金魚とは、なにか。 俺たちは奈良の出身だが、出身高校がある町は古くから金魚の養殖業が盛んで、父が住職をやっている寺のそばにも藻の浮いた養殖池が広がっていた。本堂の裏手に…

「小説新潮」 7月号

「蝸牛の角」 「街路樹の葉から滴り落ちた水一滴にも、全宇宙が含まれている」というお話であった。 京都にて無駄な日々を送る学生ならば誰もが奉じる「阿呆神」という神は何処におわすかという話が転がって、シュレディンガー方程式やら宇宙誕生やらインフ…

「asta*」 8月号

恋文の技術 第五話「孤高のマンドリニストへ」 今も銀行員のかたわら、マンドリン道を究めておられますか? 正直なところ、先輩のマンドリンの腕前はいまだに謎です。マンドリンを弾くより語っている方が長かったからです。マンドリンオーケストラを飛び出す…

「小説宝石」 8月号

美女と竹林 第八回「登美彦氏、外堀を埋めて美女と出逢う」 自分の作品が世の人に読んでもらえるようになるまでには、苦しい修行の日々を何年も過ごさなくてはならない。注目されることがなくても、うまく書けなくても、本にしてもらえなくても、へこたれず…

森見登美彦氏の仕事について報告するのをすっかり失念していた。 ここにまとめて報告する。 報告をすっかり忘れていた小説宝石6月号7月号の「美女と竹林」については、今となってはやむを得ない。

登美彦氏、和服を着る

先日のことだが、森見登美彦氏は和服を着て写真を撮られた。 本来、登美彦氏はあまりそういう自意識過剰な感じの演出は拒むところである。 「太陽が眩しかったから・・・」 登美彦氏は読んでもいないくせに、知ったかぶりでそんなことを言う。 ともかく、登…

登美彦氏、近況。

森見登美彦氏の近況を報告することを長い間失念していたので、どうやってこの記録を再開したものか分からない。 森見登美彦氏は山本周五郎賞を頂くためにしぶしぶ、凍るに狂うと書く「凍狂」(byうすた京介)へ乗り込み、角川書店にて秘密の打ち合わせをし、…

登美彦氏、復活する。

森見登美彦氏は熱を下げて復活し、Tomy's bootcampはほどほどにしておこうと誓うのであった。

 登美彦氏、倒れる。

森見登美彦氏は発熱して倒れ、Tomy's boocampの危険性を身をもって示した。

登美彦氏近況(6/11)

森見登美彦氏は、小説新潮に載せるための小説「蝸牛の角」を書き上げた。 森見登美彦氏は、インタビューの記事を読み、「恋文の技術」第六話のゲラを読んだ。 森見登美彦氏は、いっこうに進まない書き下ろし長編の態勢を立て直すべく、中央公論の人とお話を…

登美彦氏、脂肪を燃やし尽くす

森見登美彦氏は独自に開発した「Tomy's bootcamp」を駆使して、脂肪を燃やし尽くすことに成功したので、体脂肪率が10%になったという。誰ひとり話題にしない「Tomy's bootcamp」とは如何なるものか、名前がよく似ており誰もが話題にする「Billy's bootcamp」…

第五男、毛深い子。

森見登美彦氏はようやく第五男、毛深い子を東京へ送り出した。 まだ名前がついていないので、「毛深い子」と呼ばれているのは哀れであるが、毛深いのだから仕方がない。 自分でまいた種とはいえ、なにしろ毛深い子であるから、毛がこんぐらがってほどけず、…

登美彦氏、たまにニュースを読む。

世間とできるだけ隔絶して生きよう生きようと日々努力を重ねている登美彦氏だが、さして努力をしなくてもすぐに隔絶してしまうのである。 そんな登美彦氏もたまにはニュースを読んだりする。 そうとも。 そして華麗に現代に追いつき、「毛深い子」執筆の応援…

登美彦氏、こっそり言う。

森見登美彦氏は京都のとある街角でふいに立ち止まり、かたわらを歩く女性にそっと耳打ちした。 「じつはまだ、毛深い子、完成してへんねん」

登美彦氏、でかい風呂敷をなんとかしようとする。

このところ森見登美彦氏の近況を報告していないのは、登美彦氏の日常のほぼ90%の活動が、すべて机上で展開されているからである。登美彦氏が部屋から外へ出ず、日の光を浴びず、体脂肪率10%を記録したからといって、決して登美彦氏は部屋でぐうたらし…

登美彦氏、花に埋もれる。

森見登美彦氏は部屋にたくさん花があるので、困っている。なにしろ登美彦氏は農学部というものを出ているにもかかわらず、花を愛でるという気持ちが皆無であるからだ。 「お祝いして頂けるお気持ちはありがたいのだけれど、我が家における美しい花々の宝の持…