2007-01-01から1年間の記事一覧

登美彦氏、山本周五郎賞をいただく。

森見登美彦氏は若干、現在、酔っぱらっているけれども、山本周五郎賞というものをもらった模様である。しかしこの賞は愛娘がいただいたものであって、「愛娘がいただいたものを親父が横取りするわけにはいかない」と登美彦氏は語っている。

「asta*」6月号(5月6日発売)

森見登美彦氏、迷走を開始する。 「男にはやらねばならぬ時がある」と氏は関係者に語っている。 しかし新作を読んだ関係者からは「そんなにもやらねばならなかったのか?」と疑問の声が上がっている。 「恋文の技術」 第四話「女性のおっぱいに目のない友へ…

 登美彦氏、痩せ細る。

森見登美彦氏は二十四時間働く心意気で光り輝く黄金週間へ立ち向かったが、さまざまな困難に見舞われた。 まずスランプに陥った。 スランプが治った。 と思ったらお腹が痛くなった。 お腹が治った。 と思ったらスランプになった。 そうしてただ一切が過ぎて…

登美彦氏、スランプから復活。

森見登美彦氏は机の前から身動きできない黄金週間を迎えた。 とはいえ実質的に進む量は微々たるものである。なぜなら登美彦氏が執筆するときの合い言葉は「三歩進んで二歩下がる」だからである。登美彦氏がダメになってくると、合い言葉は「三歩進んで三歩下…

登美彦氏、うめく。

「ちょっとスランプ!以上」

「小説宝石」5月号(発売中)

美女と竹林 第五回「竹林の夜明けは遠かった」 登美彦氏が暮らしていた四畳半王国(=学生時代)においては、時間と才能の空費は輝かしき勲章であった。人間としての大きさが「無駄なこと」に注いだ時間と才能の多寡ではかられる世界、いかに手のこんだ方法…

登美彦氏、うむうむと書く。

森見登美彦氏は書いている。 書いている。 「書いている!」と登美彦氏は力強く呟く(おそらく編集者の人に対して)。 しかし書いているからといって完結するとはかぎらないのだ。 完結しないかもしれない。 「しかし、それは私の問題ではない」 登美彦氏は…

登美彦氏、激写される。

本屋大賞授賞式の会場にて、とくに理由もなく万城目学氏を懲らしめるため、登美彦氏はやわらかめの鉄拳をふるった。 本日、その場面を激写されていたことが判明した。 http://www.boiledeggs.com/makime/makimeinfo1.html 「やわらかめの鉄拳を喰らいたくな…

登美彦氏、本屋大賞授賞式へおもむく

あんまり机上で妄想ばかりしているのも身体に悪いと主治医から言われたので、登美彦氏は本屋大賞の授賞式へ出かけることにした。 登美彦氏の目的は以下の二点である。 一、万城目学氏を「ちょっと手加減して」殴ること 二、美味しいものを食べること 東京駅…

登美彦氏、めずらしく一人ほろ酔う

とくに理由はないけれども森見登美彦氏は一人でぶらりと店に入った。 そして本を読みながら鮹のペペロンチーノを食べ、麦酒を飲んだ。 登美彦氏は酒に弱いので、一人で外で麦酒を飲んだりするのは初めてのことである。 麦酒の泡がクリームのように柔らかく、…

「小説現代」(発売中)

「思い出の映画」 オーストラリア映画(1988年) アレックス・プロヤス監督 「スピリッツ・オブ・ジ・エア」 について、登美彦氏が文章を書いている。

「小説宝石」4月号(発売中)

美女と竹林 第四回「机上の竹林」 阪急電車で四条へ戻ると、紅葉目当ての観光客が雨で行き場を失って街へ流れこんだらしく、たいへんな混雑である。 錦市場の人気ぶりときたらもうお話にならない。 彼らは喫茶店を探してうろつきながら寿司詰め状態の錦を抜…

登美彦氏、一日中喋り倒す。

せっかくのお休みであったが、森見登美彦氏は働き者なので、朝八時の新幹線でまたぶらっと東京へ出かけた。朝早い新幹線は空いていて快適である。登美彦氏はぐうぐう寝た。 つい数日前とまったく同じ手順を踏んで、登美彦氏は綿撫さんに連れられて祥伝社へ連…

登美彦氏、もみくちゃになる

華麗なサインを書きすぎて疲れた腕を念入りに休めるために寝過ごした登美彦氏は、文豪の愛した朝ご飯を食べるのを忘れ、ついに文豪らしさをまったく演じることなくチェックアウトすることになった。 ふがふがとあくびをしながら登美彦氏がロビーへ降りていく…

登美彦氏、東京へ行く。

朝のリレー。 編集者の綿撫さんの御母堂が目を覚まして電話をかけると綿撫さんが目を覚まし、綿撫さんが電話をかけると森見登美彦氏が目を覚ました。 「森見さん、今すぐ東京へ来てちょうだい!おにぎりあげますから!」 そう言われたので登美彦氏は東京へ出…

「野性時代」4月号(3月12日発売)

森見登美彦氏は関係者にもらした。 「どうもな。一部にそう言う人がいるのだけれども、モリミーというのはどうかと思うのだ。いや、ほんまに。格好をつけているわけではなく」 特集 「森見登美彦の歩き方」 内容はこんな風になっているという(筆者もまだ見…

登美彦氏、書斎復活。

森見登美彦氏の新居はいまだに片づかないが、本日ついに注文していた机が二つ届き、なんとか書斎としての体を整え始めた。明日は本棚が届くという。しかし三月にはサイン会などがあるため、登美彦氏の新居がきちんと機能し始めるのはおそらく三月後半と予想…

登美彦氏、うめく。

引っ越した部屋が片づかないので集中できず、さらに文章に悩み、時間はなく、睡眠不足でふにゃふにゃとなり、取材を受け、編集者の人と会い、ようやく眠れると思ったら目がさえて眠れなくなったので、登美彦氏はうぬうぬうめいて段ボールの隙間をうごうごし…

 森見登美彦氏、東京にてサイン会を行うことを告白。

近日誕生、第四男。 彼の誕生を祝して、登美彦氏は重い腰を上げてお出かけする模様。 筆者が入手した情報は以下の通りである。 『新釈 走れメロス 他四篇』発売記念サイン会 平成19年3月18日(日) 14時〜16時 紀伊國屋書店新宿本店にて。 *要整理…

二月の登美彦氏、疲労困憊して京都を去る。

「三月の登美彦氏」は、「二月の登美彦氏」が京都を去るというので、京都駅まで見送りに出かけた。 二月の登美彦氏はたいへん多忙であった。 氏は祥伝社から間もなく刊行される『新釈走れメロス』の準備をし、野性時代4月号のために新境地短編小説を書き、…

登美彦氏、うめく。

森見登美彦氏は恐れていた事態が見事にやってきたので驚いた。 「引っ越しと締め切りが重なった!」 登美彦氏はさらに叫んだ。「さらにもう一つ、締め切りがあるのを忘れていた!」

登美彦氏、本上まなみさんと対面する。

京都ひきこもり作家森見登美彦氏は、ぶらりと東京へ出かけた。 東京は雨であった。 登美彦氏は傘を持っていなかったので、目黒駅から編集者の小囃子氏と相合い傘で歩いた。 道々、登美彦氏の顔色はどんどん悪くなり、足どりは鈍くなった。「もうだめだ。絶対…

『新釈 走れメロス』(祥伝社)(来月刊行予定)

四畳半近代文学案内。 登美彦氏の手をほぼ、はなれる。 現在、編集者の人が仕上げに向けて辣腕をふるっているところの模様。

野性時代4月号(3月12日発売)

特集「森見登美彦」。 現在、編集者の人・登美彦氏が、わいわいがやがやと支度中。

「asta*」4月号(3月6日発売)

「恋文の技術」 第三話「偏屈作家・森見登美彦先生へ」 六月朔日 拝啓。森見登美彦様。ご無沙汰しております。 後輩の守田一郎です。 覚えておいででしょうか。部活時代、春合宿先の野外活動センターにて、森見さんが魂の保湿のために隠し持っていたグラビア…

「小説NON」3月号(2月21日発売)

「百物語」 これは私が百物語の催しに出かけた話である。 百物語というのは、大勢の人が座敷に集まって百本の蝋燭を立て、怪談を一つ語り終わるごとに蝋燭を吹き消していくという遊びだと聞いたことがあった。私は、仏壇に立てるような白くて小さな蝋燭を思…

登美彦氏、チョコでえねるぎいをつける。

森見登美彦氏は朝から仕事に励んでいたが、そのかたわらにはチョコレートがある。 「かつてはこんな事態になると思ったこともなかったが、しかし、そうなっているのだから驚くほかない・・・人生というのはわけのわからないものだ」 登美彦氏はぶつぶつ言っ…

登美彦氏、近況。

森見登美彦氏は雑誌Yのための小説を書き上げ、インタビューに答え、同僚の御母堂からヴァレンタイン・チョコを受け取り、通勤電車中でゲラを読み、駅でバッタリ出会った読者から「中学生日記風」にヴァレンタイン・チョコを受け取り(しかも事態が飲み込め…

「hon・nin」(3月8日発売)

「お詫びしたい」 机上を離れた日常は、ことごとく他流試合のようなものだ。掃除も炊事洗濯も通勤も恋も仕事も酒席の礼儀作法も編集者との打ち合わせも、一切がことごとく意のままにならない。他流試合を勝ち抜くことに意義を見いだす人もいるけれども、私は…

「小説宝石」3月号(2月22日発売)

美女と竹林 第三回「竹林整備初戦」 洛西の竹林へ通っては、奴隷のごとく黙々とノコギリを振るい、切り倒しては積み、切り倒しては積むだけの日々。誰からも賞賛されない、孤独な営みが続くであろう。彼の前に道はなく、彼の後ろに道ができる。 だがいずれ、…