登美彦氏、近況。


 森見登美彦氏は雑誌Yのための小説を書き上げ、インタビューに答え、同僚の御母堂からヴァレンタイン・チョコを受け取り、通勤電車中でゲラを読み、駅でバッタリ出会った読者から「中学生日記風」にヴァレンタイン・チョコを受け取り(しかも事態が飲み込めずにうごうごし)、読売新聞インタビューのせいで行きつけのラーメン屋に面が割れ、雑誌Yのためのべつの小説を書き続け、同僚からもヴァレンタイン・チョコを受け取り、登美彦氏には太刀打ちできない執筆依頼を無念ながらお断りし、栄光の対談へ向けてイメージトレーニングに励んで心の筋肉をつけ、編集者諸氏からの電話を受け、メールを書き、構想を練り、またゲラを読み、ラーメンをすすり、ベーコンエッグを焼き、そしてまた編集者諸氏およびファンからのヴァレンタイン・チョコを受け取り、三月にこの世へ登場する第四男のゲラを読み、さらに引っ越しの支度をしている。
 「鼻孔から血を吹きそうだ。いろいろな理由で!」