森見登美彦氏は執筆に行き詰まったので、戦友とともに「崖の上のポニョ」を見に行った。
登美彦氏の感想は以下の通りである。
「怖い!怖いよ!」
登美彦氏個人の問題である可能性は否定できないが、彼は「崖の上のポニョ」を見ている間、とくに後半(※嵐が始まって以降)は、つねにつきまとう不安感に震えていたそうである。
なぜそうなるのか、というムツカシイことは、よく分からない。
「奇想天外である」とか、「わけがわからない」とか、それだけでもない。
「グロテスクである」というのも、完全ではない。
ともかく、登美彦氏はたいへん怯えていた。
画面で動き回るもの、すべてが登美彦氏を脅かした。
となりの席で「むーん」と画面を見ている戦友を置き去りにして、逃げたくなったほどである。
確実なことは、登美彦氏の「ぽーにょぽにょ」は静かになった、ということである。
これは締切次郎的にはたいへん好都合であろう、と言わざるを得ない。