登美彦氏、帯を書く。


 森見登美彦氏の近況を報告しなければしなければしなければと思えば思うほど億劫になって、けっきょくのところ、ちっとも報告していない。そして、たとえ報告しなくてもこの忙しなき一日は終わり、赤い糸で結ばれた男女は恋に落ち、サブプライム問題は拡大し、カムチャツカの若者はキリンの夢を見て、また忙しない明日が来るのである。
 八月から九月にかけて、登美彦氏が過ごした二十代最後の夏。
 未報告のうちに灼熱の夏が終わっていく。
 簡略に記せば以下の通りである。


  真夏の竹林伐採(藪蚊来襲)
  前代未聞の竹ポップを百本作成(作る人も貰う人もたいへん)
  締切次郎の来襲(何の締切か忘却)
  万城目学氏から電子書簡来る(返事を書こう書こうとして未だに書けず。万城目氏「登美彦氏が返事くれない」と嘆く)
  今日マチ子氏との晩餐会(サインもらった!)
  締切次郎の来襲(何の締切か忘却)
  高校の同窓会(高校の先生たちに『美女と竹林』を贈る。「日誌に書くと約束した高原氏ゴメンナサイ」と登美彦氏は言っている)
  締切次郎の来襲(何の締切か忘却)
  有馬温泉(逃亡のため)
  締切次郎の来襲(何の締切か忘却)
  株式会社はてな訪問(とくに意味なく)
  某新聞社の方々との晩餐会(とくに意味なく)
  東京出張。。。


 あれやこれや。
 もったいぶっているわけではない。
 波瀾万丈すぎて文章化不可能というわけでもない。
 ただ、億劫なのである!


 ちなみに森見登美彦氏は本の帯に登場した。 
 

ラス・マンチャス通信 (角川文庫)

ラス・マンチャス通信 (角川文庫)

 

 また続いて、森見登美彦氏は本の帯に登場する。 
 

 

 「どちらもスバらしい小説だと思うけれど、私の書くような阿呆文章とはぜんぜん傾向の違うものである。だから、腐れ大学生の話であるとか、毛玉がころころする話だとか、そういうお話ではないですよ!」
 登美彦氏は言っている。



 さらに報告。
 現在発売中の「小説すばる」において「ヨイヤマ万華鏡」が、「野性時代」において「ペンギン・ハイウェイ」が、「asta*」において「恋文の技術」が、それぞれ同時に最終回を迎えている。
 「終わったものについては何も言うまい。そうとも!」 
 登美彦氏はぶつぶつ言っている。
 「つねに前向きに!」