日々

 登美彦氏、「おおう!」と呟く。

森見登美彦氏が孤独な救世主のように思案している。 地を埋め尽くすペンギンの群れたちを「いかにして正しき道へみちびくか」と。 そこへ活動漫画版『四畳半神話大系』の宣伝用映像が届いた。 私が、 樋口師匠が、 小津が、 明石さんが、 喋り、 喰い、 笑い…

登美彦氏の近況

筆者は森見登美彦氏の近況をここに書くのを怠っていた。 しかし「ブログを更新することを怠る」というのもまた、 一つの高級な趣味である。 これだけブログというものが世に氾濫し、 さらにはツイッターというへんてこなるものまで世に氾濫している昨今、 あ…

 『新釈走れメロス他四篇』小型化記念サイン会についてお知らせ

サイン会の申し込みは締切に達した模様。 申し込んでいただいた方々、ありがとうございます。

登美彦氏、うごめく。

森見登美彦氏はもうすぐ小さなサイン会をする模様である。 お知らせは明日の昼に発表する。

 登美彦氏、映画を観る。

あれこれ用事に追われて疲労困憊した登美彦氏は「そうだ映画を観よう」と思い立ち、妻を連れて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を観に出かけたのだが、あまりのモノスゴサにあっけにとられて「まばたき」するのを忘れ、上映終了後、目から血を噴いた。

 登美彦氏の反省+サイン会告知

登美彦氏の次女が、明日以降、順次全国の書店に並ぶ。 森見登美彦氏は本日、上野水月ホテル鴎外荘において、人前に出て喋った。 「少しは図太くなったかと思っていたが、やっぱりダメだった!」 登美彦氏は無念な思いを噛みしめた。 登美彦氏は以下のように…

 登美彦氏、サイン会について考える

森見登美彦氏はサイン会があまり得意ではない。 しかしサイン会をすると、喜んでくれる人もあるのである。 「ありがたいことである」と登美彦氏は言う。 「ありがたいことであるから、次女が世に出たときには少し頑張ろう」 と登美彦氏は思った。 まだ先の話…

 登美彦氏の長女っぽい本、マンガに出る。

森見登美彦氏は噂を聞きつけた。 そして、仕事帰りにコンビニに寄ってマガジンを買った。 するとどうだろう、久米田康治氏のマンガ『さよなら絶望先生』に乙女っぽい本が登場しているではないか。 「おお!」 登美彦氏はびっくりした。 「まさか『さよなら絶…

 登美彦氏はスタート地点につき、ピストルが鳴る。

森見登美彦氏が草原に立っている。 空は美しく晴れ上がり、良い薫りの風が渡っていく。 ウエハースのように薄っぺらい白い月が浮かんでいる。 さわさわとうねる草がまるで海のように見渡すかぎり広がっている。 目的地はいささか遠いので、まだ見えない。 登…

登美彦氏、人前で美女と喋る。

森見登美彦氏は「うーん」と唸っている。 そして、まるで試合前のボクサーのように座っている。 「そんなことより!そんなことより!」 一日に一匹ずつ発生する小さな締切朝日次郎が、登美彦氏のまわりを飛び跳ねている。 「筆のすすみ具合はどうなの?ねえ…

登美彦氏、近日中に連載を始める。

本日の朝日新聞夕刊に予告されたように、 森見登美彦氏の新作が6月9日の夕刊より掲載される。 タイトルは『聖なる怠け者の冒険』である。 そして登美彦氏が作者の言葉で語ったように、 作者とともに読者もハラハラされるがよい。 「人生も連載も、一寸先は…

 登美彦氏、柳小路を抜ける

森見登美彦氏は籠城していた。 こめかみから脳が洩れるほど籠城した。 が、ついに怒り心頭に発して仕事場から脱出した。 とくに行く当てはない。 イヤな匂いのする脂汗を流しながら錦市場を駆け抜け、 寺町と新京極の雑踏を抜け、 ふと気づくと、柳小路とい…

登美彦氏、はてな氏のインタビューにこたえる。

森見登美彦氏がはてな氏のインタビューにこたえている。 http://ugomemo.hatena.ne.jp/special/guestbook_11 とはいうものの。 登美彦氏はここしばらく、まったく日誌を更新しないというお馴染みの遊びに夢中になっていた。 微動だにしない自分のブログのか…

登美彦氏、次女をきれいにする。

七男が活躍するいっぽうで、登美彦氏は次女の装いを新たにした。 とはいえ、これは難しかった。 そして締め切りは迫るのであった。 登美彦氏は久しぶりに地獄のような思いをした。 とりあえず第一次化粧直しは終了したが、 それでも本当の誕生までの道のりは…

登美彦氏、アニメを観る。

ずいぶん以前にRobotというふしぎな名前の会社の人からもらったDVDである。 登美彦氏は「ええのう!」と言いながら繰り返し観た。 短いので、何度でも繰り返して観られる。 そして観るたびに切ない気持ちになるのであった。 「しかし、あんな風な家があれば…

登美彦氏、ぬくまる。

登美彦氏の小型化した娘は、その小ささにものを言わせ、日本全国津津浦々へもぐりこもうとしているらしい。 「警戒せよ。知らぬうちに書棚にもぐりこまれている危険がある!」 登美彦氏は警告している。 そして、さらにこう言っている。 「増刷御礼」 ところ…

登美彦氏、「あぶう」と言う。

森見登美彦氏は「あぶう!」と言ってみた。 日誌を更新するためである。 なぜかというと、いつまでもいつまでも、 「結婚した」 という日誌がてっぺんにあるのが照れくさい。 そして、たいへん大勢の人が祝ったり呪ったりしてくれるのが、 なんだか照れくさ…

登美彦氏、かぐや姫を迎える。

竹林はざわざわと揺れ続けている。 締切次郎は、登美彦氏のズボンの裾を引っ張っている。 「お願いします!『太郎』は、マジでやばい」 「ええい、かまわぬ。知ったことか!」 「太郎が来たら、それこそ何もかも、容赦なく締め切られてしまうのですよ。僕な…

 登美彦氏、締切次郎を蹴散らして走る。

猥褻なまでに潤んだ瞳でおのれを見上げる締切次郎を見つめ、 森見登美彦氏は負けじと瞳を潤ませた。 「仕事、始めない!」 登美彦氏は叫んだ。 「いやいや、仕事始めなんですよ」 締切次郎は猫なで声をだす。「そろそろ始めないと、あれもこれも…」 「黙れ、…

登美彦氏、竹林をさまよう。

森見登美彦氏は竹林をさまよっている。 竹林をさまよいながら、 「今年もたいへんな一年になるだろう」 と考えている。 いささか賢人チックに見えないこともない。 すべて計算である。 登美彦氏は経済にくわしいとは言えない。 それでも世の中が暗い感じにな…

登美彦氏、愛娘と一緒に新年を迎える。

登美彦氏は正月を愛娘と一緒にぐうたらして過ごした。 「お父様、明けましておめでとうございます。ぺこり」 「うむ、おめでとう。しかし、おまえ、ずいぶん小さくなったのう」 「あい。こんなにも小粒に。まるでひよこ豆といっても過言ではないのです」 「…

森見登美彦氏、能登半島をうろうろする。

クリスマスがあと一ヶ月に迫った。 「来るべきときに備えよ!」 登美彦氏は言った。 指をくわえて週末を待つうちに、時間はあっという間に流れ去る。 週末を四回くりかえすと一ヶ月が終わる。 それを十二回繰り返すと一年が終わる。 少年老いやすく学成りが…

登美彦氏はゆるやかな回復傾向にあり。。。

森見登美彦氏は連載を三つ終えて真っ白に燃え尽きた。 「もう書くのは当分イヤである。御免被りたいなあ!」 登美彦氏がそういう勝手なことを考えていると、本当に書けなくなってしまい、たいへん困ったことになった。 じつにしばしば、登美彦氏は困ったこと…

 登美彦氏、映画を観る。

森見登美彦氏は行き詰まった。 これ以上ないほど行き詰まった。 しかも発熱した。 発熱したので、とりあえず一切を棚上げして、登美彦氏はぐうたらする。 そして衝動買いしたDVDを鑑賞する。 この映画は幾度も観ているので、「まさかこれだけ観ていれば泣…

登美彦氏、表紙をこする。

森見登美彦氏は不思議な噂を耳にした。 『美女と竹林』の表紙にある緑色の竹の部分をこすると、うっすらと竹の香りが漂うらしい。 そして、こすった人は例外なく、洛西の竹林に行ってみたくなるという。 各出版社の編集者の人たち、そしてあの万城目学氏も、…

登美彦氏、帯を書く。

森見登美彦氏の近況を報告しなければしなければしなければと思えば思うほど億劫になって、けっきょくのところ、ちっとも報告していない。そして、たとえ報告しなくてもこの忙しなき一日は終わり、赤い糸で結ばれた男女は恋に落ち、サブプライム問題は拡大し…

 登美彦氏、呟く。

森見登美彦氏は夏を満喫することもなく、机に向かって呻いている。 「終わっていく・・・いろいろなものが終わっていく・・・」 「美女と竹林」が。 「恋文の技術」が。 「ヨイヤマ万華鏡」が。 「ペンギン・ハイウェイ」が。 そして、二十代最後の灼熱の夏…

登美彦氏、ぽーにょぽにょを鎮める。

森見登美彦氏は執筆に行き詰まったので、戦友とともに「崖の上のポニョ」を見に行った。 登美彦氏の感想は以下の通りである。 「怖い!怖いよ!」 登美彦氏個人の問題である可能性は否定できないが、彼は「崖の上のポニョ」を見ている間、とくに後半(※嵐が…

登美彦氏、妹を苦しめる。

森見登美彦氏が久々に実家へ戻って四六時中「ぽーにょぽーにょぽにょ」と歌っていたために、彼の妹は「ぽーにょぽーにょぽにょ」が耳について離れなくなり、兄を深く恨んだ。 信頼すべき情報筋(万城目学氏書簡)によると、万城目氏も同じ困難を味わっている…

登美彦氏、晩ご飯を食べる第二部

森見登美彦氏は「ぽーにょぽーにょぽにょ」と心の中で歌いながら、宵山の喧噪を抜けていく。 編集者が一緒なので、声に出して歌ったりはしないのである。 ちなみに登美彦氏は遊んでいるわけではなかった。 小説を書くために取材をしているのである。 取材を…