登美彦氏、いちゃもんをつけられる


 先日の五山送り火の宵、登美彦氏のまわりには浴衣姿の美女が群れ集い、古今未曾有のモテモテぶりであった。


 上は事実に反すると、登美彦氏の戦友が主張した。
 「そうじゃないだろ。あんた、俺と一緒にいたではないか!和歌山から来たあんたの屈強な弟と、俺とあんたの三人で観たではないか!浴衣姿の美女も屋上にはいたけれど、俺たちみんな遠巻きにされていたではないか!路傍の石ころ扱いだったではないか。両手に花どころか、両手に野郎だったではないか!」


 報道陣から厳しく問いつめられた登美彦氏は素早く紺色のブレザーを着込み、名探偵コナンの真似をした。「真実はいつも二つ!」と叫んだ。
 「俺の真実と、みんなの真実・・・」