「ジェイ・ノベル」 8月号

 
 


 特集「商店街ラプソディ」において、森見登美彦氏が文章を書いている。


 商店街は異世界へ通じるトンネルである。
 昔からどうもそんな気がしてならないのだが、「国境の長い商店街を抜けると雪国であった」というような、正真正銘ファンタスティックな経験はまだない。
 先日、知人と焼き肉を食べる約束をして、久しぶりに鶴橋を訪れた――