登美彦氏、フクザツな気持ちになる


 森見登美彦氏が京都で目覚めると、東京から矢文が飛来していた。そして登美彦氏は「きつねのはなし」が増刷になったことを知った。
 だがしかし、登美彦氏は冬の琵琶湖のごとく静かである。
 なぜならば、身体が痛むからであり、べつの締切が迫っているからであり、サイン会も迫っているからである。やがてきたるサイン会を想う時、登美彦氏は著しくナーバスになる。
 「自分で決めたことながら、昨日今日とは思わざりしを!」