森見登美彦氏は早急に方法論を確立する必要があると断じた。
「はやく手を打たないと大変なことになるぞ!」
氏は沈痛な顔をして呻いた。「じきに身動きがとれなくなる!」
ふだんは冷静沈着を絵に描いたような氏が、今夜は小スズメのようにせわしなく部屋を駆けめぐり、ほかのもちぐまたちと激論を交わした。
地下室は一時騒然としたという。
氏が求めているのは以下の三つの方法である。
①忘年会の幹事を任された場合、人前でアガらない方法
②アガった挙げ句に意味不明のポエムを朗読して自滅しないですむ方法
③上の階でなんだかジタバタしている人を紳士的にやっつける方法