「有頂天家族2」制作決定

 
 

有頂天家族 二代目の帰朝

有頂天家族 二代目の帰朝


 


 「京都国際マンガ・アニメフェア 2016」において発表されたように、森見登美彦氏の『有頂天家族 二代目の帰朝』を原作とするアニメ「有頂天家族2」の制作が決定した。これは2013年に放送されたアニメ「有頂天家族」の続編となる。


 アニメ「有頂天家族」公式ページ
 http://uchoten-anime.com/


 制作発表にあたり、登美彦氏は次のようなコメントを寄せた。

 「また映像化しにくいものを書いてしまった」
 それが続編を書き上げたときに思ったことです。不器用な原作者である私は制作陣への適切な配慮を忘れ、おのれの荒ぶる妄想をおさえることができませんでした。これから制作陣の皆様が立ち向かわねばならぬ幾多の困難を想うにつけ、慚愧の念に耐えません。暴れん坊な原作者をお許しください。略儀ではありますが当コメントにて謝罪の意を表するとともに、第一期を凌駕する傑作の誕生をお祈り申し上げます。


 そもそも『有頂天家族 二代目の帰朝』は2013年に出版される予定であったが、執筆が暗礁に乗り上げて遅れに遅れ、アニメ放送終了後の打ち上げ会場で制作陣と出演者の皆様から「第二部はまだ完成しないんですか?」と吊し上げられるという事態を惹起してもなお完成せず、アニメ化の記憶も薄らいできた2015年になってようやく出版されたものである。
 そのような体たらくでありながら、このたびの続編制作へと至ったのは、ひとえに制作にたずさわる皆様のたいへんな熱意と、作品を愛してくださる皆様のおかげである。登美彦氏自身は正直なところ、よくぞこの企画が成立したものだと今もなお不思議で、とにかく皆様に感謝するほかない。


 コメントにおいて、登美彦氏はつい調子にのって「第一期を凌駕する傑作の誕生を」などと書いたが、冷静になって考えてみれば、原作はあくまで登美彦氏の原作なのであり、その言葉はそっくり自分自身に跳ね返ってくる。そもそも「よっしゃ、ここは一つ傑作を」などという了見で作品を作ることはできない。「貴君はそれに足る原作を書いたのか?」と問われればどうするのか。「よけいなこと書いた!」と思ったが、今となっては手遅れである。
 登美彦氏は調子に乗ってしまったことを深く反省しつつ、今はただ静かに「有頂天家族」続編制作決定のヨロコビを噛みしめている。


 なお、第二期の制作決定に合わせて、第一期のblu-ray BOXも発売されることになった。この機会にお買い上げいただければ、きっと制作陣の方々も二期へ向けて勇気百倍であろう。
 登美彦氏も購入するつもりである。
 「一家に一箱、有頂天家族