登美彦氏、肉を喰う


 森見登美彦氏は、戦友と久々に会談を行い、百万遍にある焼き肉屋で肉をむさぼり喰った模様である。山積した問題について、彼らは激論を交わした。あまりにも熱い議論であったために炎が上がったが、豚トロから油が垂れただけだという説もある。


 ・「やまとなでしこ」における松嶋菜々子について
 ・ツンデレについて
 ・「桃色片想い」当時の松浦亜弥の可愛さについて
 ・「青の炎」における山本寛斎について
 ・本上まなみについて
 ・矢田亜希子の後にやってくる大空位時代について
 ・文化系女子について
 ・アメリについて
 ・来るべきホワイトデーについて
 ・iPod nanoジーンズからの取り出し方について
 ・スティーブ・ジョブスのプレゼンについて
 ・登美彦氏の作品「四畳半国開拓史」について
 ・文房具ブームが来とるんちゃうかということについて
 ・それは登美彦氏のマイブームに過ぎんのとちゃうのということについて
 ・「ワンダと巨像」のすばらしさについて
 ・『いなばうあー』について
 ・「歯を磨くと尋常でない量の血が出る」という現象について
 ・えとせとら


 本日はさっぽろ一番みそラーメンしか食べていなかった登美彦氏は、肉をむしゃむしゃ喰い、中ライスを二杯食べ、たいへん満足した。ちなみに戦友は「さっぽろ一番塩ラーメンは最高だ。しかしみそラーメンはダメだ」と言った。
 「それにしても豚トロというのはよく燃える。あれは凶器だ」
 登美彦氏は言う。 
 やがて、互いに色々なものに対する健闘を祈りつつ、登美彦氏と戦友は焼肉店を去った。


 流行に敏感な戦友に「今は『いなばうあー』が流行りだ」と教わったので、登美彦氏は「その『いなばうあー』とやらを身につけなくちゃならん。そして流行に敏感でナウでヤングな新進気鋭の作家としてブイブイ言わせにゃならん」と考えたという。
 ちなみに登美彦氏の知らぬうちにトリノオリンピックは終わっていた。氏の知らぬうちに始まり、氏の知らぬうちに終わる。万事、そんなものだ。
 「諸君!トリノオリンピックは終わってるよ!」
 地下室へ戻った登美彦氏はもちぐまたちへ得意げに教えを垂れた。


 聞く耳を持たないもちぐまたちは「いなばうあー」の練習に余念がなかった。