登美彦氏、たたかう。


 森見登美彦氏は締切次郎と、くんずほぐれつ。
 「こいつめ!こいつめ!」
 常日頃は温厚な登美彦氏が、締切次郎をポカポカ叩く。
 バイオレンスまたバイオレンス。
 「いぢめないで!いぢめないで!」
 締切次郎はうめく。


 二人はさんざん戦ったすえ、いったん休戦した。
 どうせまた明日も戦わねばならないのだ。


 「はやく行ってしまえ!」
 登美彦氏が煙草を吸いながら言うと、締切次郎は泣きべそをかいた。
 泣きべそをかきながら呟いた。
 「本当は好きなくせに」


 森見登美彦氏は怒り心頭に発し、また締切次郎を追い回した。
 「好きなものか!好きなものか!」
 登美彦氏まで泣きべそをかいている。


 端から見ていると、小学生の喧嘩である。