登美彦氏、餅を食う


 森見登美彦氏は朝ご飯に、職場の同僚からもらった餅を喰うことにした。
 なぜ朝から登美彦氏が悠々と餅を焼かねばならなかったかというと、「黴が生える寸前」と言われたからである。
 「出勤前の忙しい時間に悠々と餅を焼く男。この優雅さを御覧じろ!」
 登美彦氏はぶつぶつ言った。「できる男はここが違うわい」
 そうすると餅が爆発した。
 出勤する直前、妖怪めいたアツアツの餅を食べ、登美彦氏はヒヤヒヤしたという。
 「諸君、悪いことは言わないから、出勤前に餅を喰うのはやめておけ」