「総特集 森見登美彦(文藝別冊)」出版とサイン会のお知らせ

総特集 森見登美彦 (文藝別冊)

総特集 森見登美彦 (文藝別冊)

 

 来年早々の1月14日、このような本が出版される。

 かつて雑誌「文藝」でおこなわれた特集をパワーアップさせたものであり、単行本未収録の短篇群、佐々木敦氏によるロングインタビュー、登美彦氏自身による全作品解説、恩田陸氏や黒田硫黄氏との対談、大勢の方々によるエッセイ・論考やマンガ、書店員さんたちの座談会、詳細きわまる用語事典、(妄想を含む)略年譜、少年時代から現在まで登美彦氏に影響を与えてきた本や映画をコメントつきでリストアップする「森見登美彦をつくった100作」等々、えげつなく盛りだくさんの内容となった。どうして登美彦氏は『熱帯』のような怪作を書くに至ったか。その理由もこの本を読めば少し想像できるかもしれない。読みごたえがあることは間違いない本なので、手に取っていただければ幸甚である。

 この出版を記念してサイン会が開催される。

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 2019年1月14日(月・祝)に、「文藝別冊 総特集 森見登美彦」(1月10日発売)刊行記念サイン会を、ジュンク堂書店池袋本店で開催いたします。12月14日12時(正午)より、ジュンク堂書店池袋本店【TEL03-5956-6111】でサイン会整理券のご予約を承ります。ご予約は電話予約のみ、先着順となりますので、お早めにお申し込みください。詳細は12月14日12時以降、書店HP内で告知されます。

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 よろしくお願いいたします。

 以下は目次である。

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目次

沈黙"しない"読書会について

 

熱帯

熱帯

 

 

 昨日、森見登美彦氏は紀伊國屋書店梅田本店にてサイン会を行った。いささか風邪気味であった登美彦氏も、読者の皆様の熱気によってホカホカに温められたのであった。あたかも温泉につかったかのごとし。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

 

 ところで『熱帯』の公式ページが新しくなったようである。 

www.bunshun.co.jp

 そして現在、「沈黙"しない"読書会」と題して、読書会イベントの参加者を募集中である。「我こそは」と思う読者の方はぜひとも応募していただきたい。参加者は抽選で決まるようだが、募集期間が短いので注意されたし。

books.bunshun.jp

 そしてこちらも引き続きよろしく。 

books.bunshun.jp

『熱帯』発売と「王様のブランチ」

熱帯

熱帯

 

 『熱帯』が 全国の書店に姿を見せつつあるにもかかわらず、森見登美彦氏は風邪っぴきで自宅に引き籠もっている。書店へ偵察に出かけた妻から「ちゃんと並んでいます」と報告を受けることしかできなかった。我が子の旅立ちの日をハツラツとした気持ちで迎えたかったが、こればかりはしょうがない。うがい手洗いに気をつけていても、引くときは引くのが風邪である。

 土曜日の「王様のブランチ」に登美彦氏が登場する。登美彦氏は吉田山を久しぶりに歩きまわりつつ、『熱帯』についてモソモソ語った。そのモソモソぶりは大目に見ていただきたい。なぜなら登美彦氏はテレビで輝く人ではなくて、机上で輝く人だからである。そうとも。

 『熱帯』を買おうかどうか迷っている人は、下のような「試し読み版」もある。第一章を読んで「つまらん!」ということであれば登美彦氏は何も言うまい。サヨウナラまた会う日まで。しかし「オモシロイ!」ということであれば、ぜひ単行本でも電子書籍版でも購入していただければ幸いである。

 なお、この小説は「幻の本」についての小説だから、「単行本で読む方がちょっぴり味が濃く感じるかもしれない」と登美彦氏は小声で呟いている。

熱帯 試し読み版 (文春e-book)

熱帯 試し読み版 (文春e-book)

 

 

『熱帯』サイン会のお知らせ

熱帯

熱帯

 

 『熱帯』の出版を記念して、森見登美彦氏のサイン会が開催される模様である。

 → 三省堂書店有楽町店の受付は終了しました。

 → 紀伊國屋梅田本店の受付は終了しました。

 申し込みありがとうございました。

 

『熱帯』の誕生

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 小説についての小説――。

 そんなアヤシゲな題材に手を出したのが運の尽き、森見登美彦氏はこの一年半というもの『熱帯』の世界に閉じ籠められていた。ようやく脱出した今になっても、「自分は本当に帰ってきたのか?」という疑問がしきりに胸をよぎるのである。どうして自分はあんな無謀な冒険に乗りだしたのだろう。「小説についての小説を書く」なんぞ血で血を洗うようなものであって、迷宮に閉じこめられるのはアタリマエではないか!というわけで、森見登美彦氏史上最大の問題作ができあがった。もはや精根尽き果てたので、「二度とこんな題材には手を出すまい」と登美彦氏は誓ったのである。

 11月16日(金)発売予定である。

 

熱帯

熱帯

 

 

 特設サイト 

books.bunshun.jp

 公式twitter 

twitter.com

  

登美彦氏、岩井圭也氏と対談する

 先日、森見登美彦氏は狸谷山不動院を訪ねてトークイベントを行った。「護摩祈祷」によって始まるという不思議なイベントで、たいへん貴重な経験であった。
 狸谷山不動院の皆様、売店の皆様、そして長い石段をのぼってご参加いただいた皆様に御礼を申し上げます。

 そしてまた登美彦氏は、今年のフロンティア文学賞を受賞された岩井圭也氏と京都にて対談をした。その模様は「野性時代」10月号に掲載されている。『永遠についての証明』は選考委員三人の意見が一致した久しぶりの受賞作である。
 登美彦氏は「数学者」という存在に昔から憧れてきた。「小説家」とは「すごく近いような」「とても遠いような」不思議な距離感があるからにちがいない。『永遠についての証明』を読んでいると、なんだかそういうカッコイイ「数学者」を疑似体験しているような気持ちになれて嬉しいのである。
 岩井圭也氏の今後の御活躍を祈るものである。

 

 
 
永遠についての証明

永遠についての証明


 ようやく『熱帯』という悪夢的迷宮から脱出して、少しはノンビリできるかと思っていたが、『熱帯』を書いている間「知らんぷり」してきた幾つもの用件が押し寄せてきて登美彦氏を取りかこんでいる。なんだかずっと慌ただしい気分なのである。
 責任者はどこか。

 映画「ペンギン・ハイウェイ」公開


 映画「ペンギン・ハイウェイ」が8月17日から公開される。

 登美彦氏は断固として主張する。
 「このような映画こそ夏に観に行くべきである!」
 この映画を劇場で観ることができる夏はもう二度とこない。

 できるものなら登美彦氏もスケジュールに余裕をもってこの日を迎え、映画の売り上げに貢献すべく、朝から晩まで映画館に立て籠もりたいところであった。しかし昨年から死闘を繰り広げてきた自分史上最大の怪作『熱帯』がようやく完成を迎えつつある今日、涙を呑んで書斎に立て籠もらねばならない。登美彦氏はこの机上から映画「ペンギン・ハイウェイ」の活躍を祈るものだ。

 ところで登美彦氏の父親は、以前からずっと『ペンギン・ハイウェイ』こそ登美彦氏の最高傑作であると主張してはばからず、出版から八年経った今日、こうして『ペンギン・ハイウェイ』が注目を浴びる機会を得たことについて、「やはり俺の目は正しかったのだ」と鼻高々である。そして「観客動員に貢献するために映画は毎日観に行く」と豪語している。

 原作をまだ読んでいない人はこの機会にぜひ手にとっていただきたい。映画を観る前に読んでも、観た後に読んでも、きっと楽しいはずである(と登美彦氏は主張している)。 
 
 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

 また公式読本なるものも発売された。
 登美彦氏のエッセイ、インタビュー、アオヤマ君を主人公とした短編「郵便少年」も収録されている。
 こちらもぜひよろしくお願いいたします。

 

ペンギン・ハイウェイ 公式読本

ペンギン・ハイウェイ 公式読本

 
 ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
 

 映画「ペンギン・ハイウェイ」が完成した。
 これまでにも経験のあることだが、森見登美彦氏は自作の映像化に馴染むまで時間がかかる。現在、登美彦氏は映画「ペンギン・ハイウェイ」を繰り返し見て、自分を馴染ませている最中である。詳細な感想を述べるのは慎むべきであろう。
 とにかく登美彦氏は呆れた。
 「よくこんなガムシャラな映画を実現したなあ!」
 原作への愛が眩しかった。
 あまりの眩しさに灰になりそうだった。
 そして予想どおり登美彦氏はひとり涙したのである。
 映画「ペンギン・ハイウェイ」は今夏八月十七日全国ロードショーである。
 なにとぞ宜しくお願いいたします。


 公式サイト http://penguin-highway.com/


 この機会に『ペンギン・ハイウェイ』が角川つばさ文庫にも入るという。コミック版も七月に刊行される模様である。
 こちらも宜しくお願いいたします。


 

ペンギン・ハイウェイ (角川つばさ文庫)

ペンギン・ハイウェイ (角川つばさ文庫)


 

 六月八日の記述についての反省文。


 筆者があんなふうに無用の反論を書いてしまったのは、学生時代の登美彦氏のみっともなさや情けなさ、哀しみや煩悶、それらの陰影と切り離せない愛すべき事柄の一切が、「モテモテであった」という一言のもとに切って捨てられるように思われたからである。
 登美彦氏は自身の学生時代の実感に対して、過剰な「愛憎の念」を抱いている。無闇に四畳半小説を書いてしまったことへの当然の報いであろう。だからこそ「自分の青春はそんなものではなかった」とうるさく言いたくなるのだ。
 しかし、登美彦氏の個人的事情や感慨、拘泥するその微妙なニュアンスなんぞ、他人にはなんの意味も持たない。
 あのように衝動的な文章を書くことは、当日誌の運用方針に反している。そういうわけで六月八日の記述は削除させていただきたいと思う。できるだけ努力しているのだが、それでも数年に一度、筆者はかくのごとき恥ずべき失敗を執りおこなう。
 読者の皆様のお許しを願うものである。
 
 というようなことを、連載小説「シャーロック・ホームズの凱旋」最終回をようやく書き上げ、憎むべき締切地獄から解放された今日、登美彦氏はじっくりと考えたわけである。
 中央公論新社「小説BOC」は次号をもっていったん終了となる。デビュー以来十五年、登美彦氏がその背中を追いかけてきた(つもりの)伊坂幸太郎氏との初対談も収録される。
 手に取っていただければ幸甚である。
 何卒よろしくお願いします。

 https://www.amazon.co.jp/dp/4120051021/