小説についての小説――。
そんなアヤシゲな題材に手を出したのが運の尽き、森見登美彦氏はこの一年半というもの『熱帯』の世界に閉じ籠められていた。ようやく脱出した今になっても、「自分は本当に帰ってきたのか?」という疑問がしきりに胸をよぎるのである。どうして自分はあんな無謀な冒険に乗りだしたのだろう。「小説についての小説を書く」なんぞ血で血を洗うようなものであって、迷宮に閉じこめられるのはアタリマエではないか!というわけで、森見登美彦氏史上最大の問題作ができあがった。もはや精根尽き果てたので、「二度とこんな題材には手を出すまい」と登美彦氏は誓ったのである。
11月16日(金)発売予定である。
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