『熱帯』発売と「王様のブランチ」

熱帯

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 『熱帯』が 全国の書店に姿を見せつつあるにもかかわらず、森見登美彦氏は風邪っぴきで自宅に引き籠もっている。書店へ偵察に出かけた妻から「ちゃんと並んでいます」と報告を受けることしかできなかった。我が子の旅立ちの日をハツラツとした気持ちで迎えたかったが、こればかりはしょうがない。うがい手洗いに気をつけていても、引くときは引くのが風邪である。

 土曜日の「王様のブランチ」に登美彦氏が登場する。登美彦氏は吉田山を久しぶりに歩きまわりつつ、『熱帯』についてモソモソ語った。そのモソモソぶりは大目に見ていただきたい。なぜなら登美彦氏はテレビで輝く人ではなくて、机上で輝く人だからである。そうとも。

 『熱帯』を買おうかどうか迷っている人は、下のような「試し読み版」もある。第一章を読んで「つまらん!」ということであれば登美彦氏は何も言うまい。サヨウナラまた会う日まで。しかし「オモシロイ!」ということであれば、ぜひ単行本でも電子書籍版でも購入していただければ幸いである。

 なお、この小説は「幻の本」についての小説だから、「単行本で読む方がちょっぴり味が濃く感じるかもしれない」と登美彦氏は小声で呟いている。

熱帯 試し読み版 (文春e-book)

熱帯 試し読み版 (文春e-book)