登美彦氏、『よつばと!』を読む

 
 よつばと! 12 (電撃コミックス)


 森見登美彦氏は『よつばと!』を読んだ。
 「このかわいらしい凄みときたら!」登美彦氏はぷつぷつ呟いた。
 できるだけユックリと読み進めたものの、読み進めた先で待つ「読了」という運命を避けることはできない。登美彦氏はやむを得ず読み終え、「また次の巻まで待たねば!」と呻いたが、今の彼に他の人の作品の刊行速度をトヤカク言う資格があろうか。地球上でもっともその資格のない人間の一人である。登美彦氏は失言を反省して、次のように呟いた。「『よつばと!』のように立派なマンガは、いくらユックリ描かれようとかまわないのである。そうとも!」
 登美彦氏は必ず待っている。