森見登美彦氏、三度目の生配信をする。

 おかげさまで『四畳半タイムマシンブルース』は着実に増刷を重ね、先日十万部に達したのである。

 とはいえ、あまり得意そうな顔もできない。

 そもそも上田誠氏とヨーロッパ企画による「サマータイムマシン・ブルース」という名高い原作があり、そこへ湯浅政明監督のアニメ「四畳半神話大系」の知名度が加わり、さらに中村佑介氏のイラストレーションが表紙を飾る。登美彦氏ひとりの奮闘努力で成し遂げたわけではなく、目のくらみそうな高下駄を履いている。

 これではなかなか自慢しにくい。無念である。

 ……というような話をするのかどうか、何の話をするのか決まっていないが、9月29日の午後十時から上田誠氏と生配信をする。

 「四畳半タイムマシンブルース」の出版と重版を遅まきながら祝う会。

 お時間のある方は29日に生配信でお会いしましょう。

www.europe-kikaku.com

 ブログでお知らせをするのを怠けてしまったが、下記サイトの「story for you」という企画において、登美彦氏は八月三十一日を担当し、「花火」という掌編小説を書いた。明朗愉快なものを書くつもりが、近年欠乏気味のユーモアを『四畳半タイムマシンブルース』で遣い果たしてしまったらしく、『夜行』を思わせる幻想的なものに仕上がった。

 公開された翌日、登美彦氏が「ちょっとやりすぎたかなあ」とションボリしていたら、めずらしく母親がメールで褒めてくれたのである。

tree-novel.com