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「出世作」と呼ばれるものがある。
『夜は短し歩けよ乙女』は間違いなく出世作である。
この作品は薄暗い四畳半世界に天から射しこんできた一条の光というべきであった。もしこの作品が存在しなかったら、登美彦氏は暗い四畳半世界の片隅をぐるぐるし続けて自家中毒を起こしていただろう。「黒髪の乙女」は当時二十代であった登美彦氏を新世界へ連れだしてくれたのである。それから今日にいたるまで、登美彦氏はこの作品の遺産に頼って生き延びてきた。誕生から十年、またしても吉報をもたらしてくれた愛娘に対して登美彦氏は感謝するしかない。なんと親孝行な娘であることか。
湯浅政明監督をはじめ、アニメ「四畳半神話大系」に携わった方々の再集結も嬉しいことである。紆余曲折あって六年後の実現ということになったが、「終わりよければすべてよし」となることを登美彦氏は祈る。
来年四月の公開までに「四畳半神話大系」も観ていただけると幸いである。
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来年は「有頂天家族2」と「夜は短し歩けよ乙女」が世に出ることになる。
「まるで祭りのようだ!」
と登美彦氏は呟いている。