『有頂天家族 二代目の帰朝』(2/26発売予定)


 

有頂天家族 二代目の帰朝

有頂天家族 二代目の帰朝


 「出す出す遂に出す」 
 そう言いながら、出せないままに早幾年。
 森見登美彦氏の信用は失墜した。
 今更「出るよ」と言っても、誰も本気にしてくれないのである。
 しかし『有頂天家族 二代目の帰朝』は二月二十六日、幻冬舎から発売予定である。「この毛深い本を買ってくれそうな人たちに、できるだけ広く知らせていただければ幸甚」と、登美彦氏は述べている。
 読者諸賢の御助力を乞う。


 予告


 東山三十六峰ことごとく笑う新緑の候、かつて赤玉先生との闘争に敗北して欧州へ逃れた二代目が帰朝し、新たな物語の幕が上がる。将棋を愛する雌狸南禅寺玉瀾、狸を化かす幻術師天満屋、自宅の庭に四半世紀籠もる菖蒲池画伯、宗教団体を率いる狸谷不動の祖母など、へんてこりんな狸と人間がゴロゴロ登場。天狗親子の南座における決闘をはじめ、南禅寺家の狸将棋大会、胡散臭い幻術師と金曜倶楽部の暗躍、ふたたび勃発する大文字納涼船合戦まで、天狗と狸と人間がやりたい放題の洛中において、次第に沸騰していく天狗の血、阿呆の血。偉大なる父の血を受け継ぐ下鴨家の四兄弟は、混迷を深める現代タヌキ社会を如何に生きるか。天下無敵、融通無碍。史上もっとも毛深い京都絵巻『有頂天家族』、第二部「二代目の帰朝」に乞う御期待。