登美彦氏、更新にそなえる。


 森見登美彦氏には、色々あった。

 
 登美彦氏は日誌を更新できずにいる。
 間を空ければ空けるほど、更新のしにくさは指数関数的に増える。
 書かないから、書けない。
 書けないから、書かない。
 日誌も小説も同じことである。
 その膠着状態の中では、「更新しにくさ」のみが高値を更新し続ける。
 つい先ほどまで、この「更新しにくさ」が天文学的な数値を示していた。
 この「更新しにくさ」を換金して、一生遊んで暮らせぬものか。


 登美彦氏は東京を去って奈良に暮らしている。
 ときに具合が悪かったりするものの、おおむね元気になってきた。
 それでも仕事は進まぬ。
 泉は枯れた。また枯れた。
 だが待て。
 実はたいてい枯れている。
 もともとそんなに湧いてない。
 何を慌てることがあるのか。
 そうとも。
 登美彦氏はそんなことを呟いている。


 登美彦氏が本日読んだ素晴らしいマンガをここに掲げ、
 この傑作への無言の賛辞を電子的空白に込めて弾丸となし、
 更新されぬままに膠着した日誌の再開を図る。

 
 よつばと! 11 (電撃コミックス)