森見登美彦氏は本上まなみさんの『めがね日和』(集英社文庫)という本に解説を書いた。
登美彦氏は解説が苦手であるという。
なかなかそういう文章が書けないので、苦しい思いをする。
個人的妄想を書き散らしているほうがずっと楽ちんであるという。
開き直った登美彦氏は、以下のように述べて、威張ることがある。
「小説家というものは『解説』が書けない代わりに『小説』を書くのだ。えっへん、ぷい!」
ところが今年の夏、登美彦氏はめずらしく「解説」というものを二つ書いた。
一つは太宰治の小説について(これについては後ほどまたお知らせする予定)。
もう一つが本上さんのエッセイについてである。
「本上さんとは、たがいに解説を書き合った仲だ」
つまりは、誰にともなく威張りたいようなのである。
それにしても本上まなみさんの書くメンチカツは日本一おいしそうである。
「メンチ食いたい」と登美彦氏は呟かざるを得ないようだ。