「小説宝石」2月号(1月21日発売)


美女と竹林 「ケーキと竹林」

 

 妄想作家森見登美彦氏は、作家として行き詰まった場合の布石として「多角的経営」を志し、竹林経営へ進出してみることにした。十月のある晴れた竹林日和、登美彦氏は洛西の竹林へ分け入ってみたが、荒れて薄暗い竹藪をうろつく己が不審者以外の何者にも見えないことを発見した。子兎のごとく淋しがり屋で、一緒に竹を刈ってくれる心の友を必要とした登美彦氏は、ともに笑いともに泣いてきた盟友・明石氏へ協力を要請した。頼りになる友のかぎりなく無力に近い腕力と法科大学院仕込みの知識を武器に、登美彦氏はみごと竹林を整備して、二十一世紀竹林経営のパイオニアとなることができるのか?洛西の竹藪に夜明けは来るのか?はたして登美彦氏の未来は薔薇色か?