「夜は短し歩けよ乙女」舞台化される。

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 「夜は短し歩けよ乙女」が舞台化される。

 脚本と演出を手がけるのは劇団ヨーロッパ企画上田誠氏である。

 上田誠氏にはこれまで、TVアニメ「四畳半神話大系」、劇場版アニメ「夜は短し歩けよ乙女」と「ペンギン・ハイウェイ」といった映像化でお世話になっており、さらに昨年はそのお返しとして、登美彦氏がヨーロッパ企画の舞台を小説化して『四畳半タイムマシン・ブルース』を発表した。ふたりの清らかなおじさんの間を企画が行ったり来たりすることによってお金を産みだしているわけで、この胡散臭いシステムを万城目学氏は「フィクション永久機関」と名付けた。

 そもそも登美彦氏と上田誠氏が出会ったのは、「夜は短し歩けよ乙女」の実写映画化企画がきっかけであった。その企画はあのリーマンショックによって頓挫したはずである。それから十数年、たびたび本作の映像化企画が浮上し、そのたびに上田氏は脚本を書き、にもかかわらずそれらの企画はすべて頓挫した。やっとのことで実現したのが湯浅政明監督による劇場版アニメ映画だった。つまり上田氏は、実現しなかった企画を含めると何作分もの「夜は短し歩けよ乙女」を書いてきたのである。彼は「夜は短し」の世界的権威と言ってよく、その皺深き脳の谷間には、あり得たかもしれない幾つもの「夜は短し」がひしめいているのだ。というわけで今回の舞台化は、上田氏による「夜は短し歩けよ乙女」研究の集大成となるだろう。

 明日4月29日22:00から、本作をめぐって上田誠氏と登美彦氏が語り合う予定。お時間のある方はブラリと立ち寄っていただければ幸いである。

 

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森見登美彦氏、清風荘でアレコレ語る(動画公開)。

 第77回京都大学未来フォーラムの動画が、京都大学Youtube公式チャンネルにて一般公開された(全三回)。昨年、森見登美彦氏が京都大学の藤原辰史氏とアレコレ語り合ったものである。収録日がちょうど快晴だったこともあり、西園寺公望の私邸として建てられた「清風荘」がとても美しい!

 それなりのボリュームがあるので、お時間のあるときにノンビリご覧ください。

 

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森見登美彦氏、京都市芸術新人賞をもらう

 森見登美彦氏は「京都市芸術新人賞」をもらうことになった。

 京都市芸術新人賞については下記をごらんください。

 https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000279484.html

 「京都市では,本市出身者又は本市内において活発な文化芸術活動を行い,全国的にも評価を高め,将来を嘱望される方々に『京都市芸術新人賞』を,また,同じく京都市内で活動を行い,新人の育成又は芸術に係る活動環境の向上に多大の功労があった方々に『京都市芸術振興賞』を授与し,その功績を称えています。」

 上記のページの下の方には「被表彰者功績調書」という書類があって、ほかの受賞者のみなさん、そして登美彦氏の調書がある。覗いてみると面白い。これを読んでいたら、なんだか自分が華々しくグローバルに活躍しているような気持ちになって、登美彦氏はとても嬉しかった。ありがとうございます。

 関係者の皆様、読者の皆様に、御礼を申し上げます。

謹賀新年

 明けましておめでとうございます。

 そして本日、森見登美彦氏は四十二歳になった。

 誰だって生きているかぎり歳はとっていくし、「四十にして惑いまくり」というのも現代ではお馴染みの感慨で、登美彦氏が四十二歳になったからといって、世間としてはどうでもいいことであろう。しかしそれはそれとして、ここまで生きてこられたのはありがたい。コロナの暴風が地球上を吹きまくっているのだから尚更である。今年も生きていきましょう、と登美彦氏は思う。

 一月六日は登美彦氏の誕生日であると同時に、名探偵シャーロック・ホームズの誕生日である(どうして一月六日だということになったのか、その経緯は知らない)。ホームズに憧れた小学生の頃、彼と自分が同じ誕生日だと教わったときはたいへん嬉しかった。そしてホームズと出会ってから三十年、登美彦氏は現在『シャーロック・ホームズの凱旋』という作品を執筆中である。

 例によって難航しているがこれは毎度のことである。「もう俺は小説家としておしまいだ!」と思うのも毎度のことである。自信のなかった二十代の頃、いつか四十歳をすぎる頃には小説家としての腕前も上がり、もっと自信がつくだろうと期待していたが、そんな素敵な兆候はなく、腕前も自信も相変わらずのへなへなぶりである。本当に書き上げられるかどうか――それだけが問題だ。生きて新年を迎えるのと同じように、「小説が完成する」というのはありがたいことなのである。ありがたやー。

 今年はコロナのこともあって、明るいとはいえない幕開けだが、それでもきっと何かいいこともあるだろう。たとえば『シャーロック・ホームズの凱旋』が完成するとか、知らないうちに筋肉がむきむきになっているとか。

 というわけで、今年もよろしくお願いいたします。