ブログでお知らせをするのを怠けてしまったが、下記サイトの「story for you」という企画において、登美彦氏は八月三十一日を担当し、「花火」という掌編小説を書いた。明朗愉快なものを書くつもりが、近年欠乏気味のユーモアを『四畳半タイムマシンブルース』で遣い果たしてしまったらしく、『夜行』を思わせる幻想的なものに仕上がった。
出版前、登美彦氏はうじうじと心配していた――もしもこの小説の売れ行きが芳しくなかったら原案者の上田誠氏もションボリの巻き添えになるわけで、さぞかし忘年会は哀しいものになるであろう。我らは涙に濡れつつ冬空に咆哮し、清らかなおっさんたちは清らかな怪獣と化すであろう。寒風の吹きすさぶ鴨川べりは我ら怪獣たちのいるところとなるのだ……Where the Wild Things Are!